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2008年のアメリカ映画
ウォーターゲート事件の映画といえば、事件からわずか2年後、ニクソンが逮捕されるまでを描いた1976年公開の「大統領の陰謀」があるけれど、本作は大統領辞任後にイギリス人テレビ司会者とのインタビューとそれにチームで挑む様子を描いた作品
インタビューといっても、ニクソン(フランク・ランジェラ)はこれを機にアメリカ史上初の任期中に辞任した大統領という汚名を返上して政界復帰の足掛かりにという思惑があった
一方のフロスト(マイケル・シーン)も、世の中の多くの人が過ちを認め謝罪させたいと願っている人物に自分が切り込んで叶えたい、そして自らも世界中から注目を浴びたいという野心に溢れていた
とはいえフロストはイギリスやオーストラリアでの人気はともかく、アメリカでは認知が低く、またニクソンは後任のフォード大統領による恩赦で過去の疑惑についての追及を逃れていた
ニクソンにしてみれば、イメージの回復ができる程度にのらりくらりと受け答えていれば良い安全なゲームで、フロストにとっては、アメリカ三大ネットワークからも芳しい反応はなく、製作費も当面自前という分の悪いギャンブル
それを承知で、フロストと彼のサポートチームはニクソンを揺さぶりにかかる
交渉上手なニクソンのブレーン役をケヴィン・ベーコンが演じている
このインタビューが収録・放映されたのは1974年
その2年後の1976年、アジアのある国では、政治家の友人が国会で何度も「記憶にございません」と答弁した
国としての民主度合いの違いなのか、政治家が持つ最低限のプライドの違いなのか、いづれにしても果てしない差が存在している
ニクソンは本作を観ることなく1994年に亡くなっているけれど、デーヴィッド・フロストは果たして本作を観たのだろうか
本作公開から5年後の2013年、フロストはクイーン・エリザベス号の船上で亡くなっている