引用元:amazon.co.jp
1976年のアメリカ映画
ニクソンがウォーターゲート事件で辞任したのが1974年
当時のアメリカの一番の話題を丸ごと映画にしたような作品
72年の大統領選
対する野党にあたる民主党の本部はウォータゲート・ビルにあった
そのビルに不法侵入した5人組が逮捕される
最初は物取りと思われた犯行は、犯人たちが多額の現金を所有していたこと、無線機や小型カメラを所持していたこと、またその予審に共和党系の有能な弁護士が(直接の担当でもないのに)傍聴していたことなどから、只事ではない様相を呈していた
ワシントンポスト紙の新人記者ボブ(ロバート・レッドフォード)は、先輩記者のカール(ダスティン・ホフマン)と共にこの事件の担当となり、関係者への取材を始める
ふたりはあらゆる手段を使って有益な情報を得ようと駆けずり回るも、途中から誰もが同じような理由で協力を拒み始める
明らかに何らかの圧力の存在を感じ、それこそが不法侵入した犯人たちの陰に隠れている黒幕と確信しながらも、なかなか事件の真相には辿り着けず焦り始める
冒頭で書いた通り、当時もっともセンセーショナルだった事件を扱った話題作
記者たちが勤務中ずっとタイプライターに向かっていたり、オフィスのどこでもタバコが吸えたり、と70年代感満載(笑)
アカデミー賞、8部門でノミネートされ4部門で受賞した割に(同じくらい話題になった他作品と比較すると)その後風化してしまった感は否めないけれど、アメリカがある意味一番面白かった時代の空気感を楽しむには最高の作品
監督はアラン・J・パクラ(「アラバマ物語」、「ペリカン文書」など)
歴代アメリカ大統領の中で唯一人(あのトランプでさえ任期を全うしたのに)、在任中に辞任したニクソン
そして辞任の決定的な引き金となったウォーターゲート事件
外交面では功績(ベトナムからの撤退や中国への電撃訪問、ソ連との緊張緩和など)も多かったけれど、人々の記憶には事件の負のイメージが大きいだろう
日本で言うとロッキード事件のような感じだろうか?
絶対と思われていた大きな山(権力者)が崩れるのは(最終的には国会や裁判所が機能するとしても)、きっかけは国民感情なのだな(悪が蔓延り続けることは多く、山が崩れること滅多にないけれど)と思うと、世の中捨てたものでもない