引用元:filmarks.com
2015年のアメリカ映画
約20年間も監禁されていた女性リアン(シアーシャ・ローナン)
4歳でベン(ジェイソン・アイザックス)という男に誘拐され、地下室から一歩も出ないまま成長してしまった
ベンが逮捕され無事に両親の元に帰ることになったリアンだが、当時の記憶はなく、必死で近づこうとする母親のマーシー(シンシア・ニクソン)にも心を閉ざしてしまう
と、ストーリーそのものは分かり易くどこかで聞いたことがあるような話だけど、想像していたような単純な話ではなく、心理描写や台詞にぐいぐい引き込まれていった
心を開けない娘の描写は比較的想像通りだけど、そんな娘を見て悲しみ、焦り、そして必死で20年を取り返そうともがく母親の描写が見事だった
ベン以外は全員が被害者で深いダメージを負ったからこそ発言や行動に歪みが生じてしまい二次的に周囲を傷つけてしまうこともある、というところまでは理解できるけれど、果たしてそれ(一次被害者が暴れることで周囲を傷つけること)はどこまで許容されるべきなのか
母親を演じたシンシア・ニクソンの演技は初めて観たけれど、一生懸命過ぎて暴走機関車と化す母の姿を完璧に演じている(これについてはもっとコメントしたいけれどどうしてもネタバレになってしまう)
本作は特定の事件をベースにしているわけではなさそうだけれど、2011年にはカリフォルニア州で11歳の時に誘拐され18年間監禁生活を強いられていた女性が解放されている
逮捕された犯人には禁固431年の刑が言い渡されている
許せない犯行に対して、「どんなこと(刑期短縮など)があっても釈放されないように」ということなのだろうけれど431という数字はいったいどこから来るのだろうか
ちなみに最も長い刑期は、1996年オーストラリアで35人を射殺し23人を負傷させた男性に対しての1035年 + 終身刑 x 35 というもの
終身刑 x 35 と言われてもまったくピンと来ないけれど、こうなると裁く側の感情表現に近いものがあるかもしれない
アメリカ国内で現在最長の刑期といわれるものは、6人の子供に性的虐待を加えた男性に懲役3万年が科されている
「1035年 + 終身刑 x 35」の方が 「3万年」より長いというのも、もはや理解不能