無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

1160. 旅立ちの時

引用元:amazon.co.jp

 

1988年の作品

 

リバー・フェニックス主演というだけでも時を感じてしまうけれど、監督は「十二人の怒れる男」(1957年)などのシドニー・ルメット

 

反戦活動家である両親との度重なる引っ越しを伴う生活と、その徒労感を描いた作品

 

 

高校生のダニー(リバー・フェニックス)は、両親と弟との楽しい生活をエンジョイしていた

 

唯一の不満は、自分について詳しく認知されないよう気を付けなければならないこと

 

クラスで集合写真を撮る日には病欠し、授業でもなるべく目立たないように注意し、しばらく経ったら違う街に引っ越し(転校)

 

そして新しい土地では、名前を変え、髪の色も変える

 

新しくやってきたニュージャージーでは、ダニーは音楽教師のフィリップ先生にピアノの腕前を認められ、ジュリアードへの進学を勧められる

 

先生の娘・ローナ(マーサ・プリンプトン)とも惹かれ合い、そして進学のためには以前の学校での成績証明書が必要であることが判明し、今とは違う名前で在籍していたダニーは、この逃亡生活に限界と疑問を感じる

 

 

 

両親のモデルとなったのは、1970年代に政府ビル爆破などのテロ活動を行った「ウェザー・アンダーグラウンド」の指導者である、ビル・エアーズとバーナディン・ドーン

 

ビル・エアーズを演じたジャド・ハーシュは、如何にも弁が立つ「敵に回したくない男」という雰囲気が良かった

 

 

今では大した活動も無く、その存在意義が日増しに薄れる中で、ふたりの息子の将来の可能性をフイにしながら逃亡を続けるだけの生活

 

その焦燥感や虚無感を上手に表現した原題「Running On Empty」だけに、邦題はもう少し頑張って欲しかった

 

 

明日は、字を書ける(読める)ことの有難さを感じる作品を紹介します

 

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