無人島シネマ

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658. 横道世之介

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引用元:Yahoo.co.jp

 

2013年公開

 

「悪人」、「怒り」を書いた吉田修一の同名小説が原作

 

上記二作とは打って変わって、背徳感ゼロの青春映画

 

 

 

舞台は1987年の東京

 

大学進学のため、長崎から上京してきた横道世之介高良健吾

 

垢抜けない、気の利かない、だけど純粋で実直な、絵に描いた様に「田舎から出てきたばかり」の青年

 

入学式で知り合った倉持(池松壮亮)に誘られるまま、サンバのサークル(ラテン・アメリカ同好会?)に入ったり、ホテルのポーターのアルバイトをしながら、学生生活をスタートさせる

 

自分から声を掛けて友達になった加藤(綾野剛)に誘われ、ダブルデートに行くことになった世之介は、そこで社長令嬢の祥子(吉高由里子)と知り合う

 

田舎者で、必死にバイトしている自分とは別世界に住む祥子だったが、彼女の眼には世之介が新鮮に映ったのか、夏休みの長崎への帰省にも押しかけ、実家の両親や地元の友達ともすっかり馴染んでしまう

 

その後も、いろんな人との出会いや経験から、特別な一年(1987年4月から1988年3月)を過ごす世之介の様子と、16年後の2013年に周囲にいた人たちが世之介について想い返すシーンが交差していく

 

 

 

長崎から上京し、法政大学に通った作者と同じ設定の主人公

 

小説家にとって、一本しか書けない(書かない)自伝小説なのだろう

 

長閑なストーリーではあるけれど、原作者の思い入れが演者からもシッカリ伝わって来るせいか、160分という長さも観始めるとあっという間

 

もっとこの世界に浸っていたいと思わせる、愛すべき映画

 

 

 

明日は、ファーストフード・チェーン店の舞台裏に迫る作品をご紹介