引用元:amazon.co.jp
1998年のフランス・ドイツ・ユーゴスラビア合作
原題はそのまま「Chat Noir, Chat Blanc」
ロマ族のマトゥコは中途半端に成功(?)している詐欺師
大きなヤマを狙ってはいるが、それを叶える才覚もない
今回はロシアの密輸船から石油を買うも(まさに蓋を開けてみれば)水を買わされていたことがわかる
起死回生とばかりに次は石油列車をハイジャックする計画をたてるもヤクザのダダンに邪魔されてあっけなく失敗、逆に大きな借金を抱えてしまう
そこで借金返済のために(すでに彼女がいるのに)息子ザーレをダダンの妹と結婚させようと画策する
「オン・ザ・ミルキー・ロード」に続いて旧ユーゴ出身のエミール・クストリッツァ監督作品を鑑賞
前作ではさほど気づかなかったけれど、本作の延々と続くドタバタとすべりまくる笑いネタの中に時々印象的なショットを散りばめる感じに、ウェス・アンダーソンはかなり影響されたんだなあと思った
マトゥコたちはドナウ川沿いに暮らしていることになっているが、ドナウ川はドイツ南部からオーストリア、そしてスロベキアとハンガリーの間を流れ、クロアチア、セルビアの国境から最後はルーマニアを通って黒海に続く
本作が撮影されたのはどの辺りなのだろうか?
マトゥコたちの様に詐欺行為をするのはロマ族の中でもごく一部なのだろうけれど、彼らは音楽を演奏したり装飾品や花を作って売ったりする以外に物乞いやスリなどをする者もいて、自分も数年前にフランスでやられそうになったこともあって(その時のことを思い出すと)寛大になるのも難しい
定住せず移動を繰り返していた彼らには「物を所有する」という概念がなく、他人のものを奪うことにも抵抗がないという話を聞いたことがあるけれど、困ったものだ
本作の予告ではなく監督の宣伝映像(?)しか見つからなかった