引用元:amazon.co.jp
二十歳の頃、気に入ったアルバムのクレジットを見ると、よく「T・ボーン・バーネット」という名前があった
その確率の高さに、途中からは彼のプロデュース作品であれば迷うことなく聴くようになった
それくらいハズレが無く、ルーツ・ミュージックの魅力を最大限引き出しつつ、退屈にならない工夫に溢れた傑作を生み続けていた
しかも(実力のあるプロデューサーにありがちな)ワンマン的な印象がなく、あくまでもアーティストという素材ありきの腕利きシェフ然としたところにも惹かれる
キャリア的に難しい時期にいた、ロイ・オービソンやエルビス・コステロ、またブレイク前のザ・ウォールフラワーズなど、彼のプロデュースがきっかけとなって(再び)輝き始めたアーティストも
そんなT・ボーン・バーネットが音楽を担当した本作
ゴスペル、ブルーグラス、カントリー、ブルースなどアメリカン・ルールミュージックの魅力に溢れるサントラ盤は、その年のグラミー賞(最優秀アルバム)にも輝いた
2000年のアメリカ映画
舞台は1930年代のアメリカ南部
服役中の詐欺師エヴェレット(ジョージ・クルーニー)は、共に足首を鎖に繋がれたピート(ジョン・タトゥーロ)とデルマー(ティム・ブレイク・ネルソン)と三人で脱獄を試みる
何とか鎖を外すことに成功した三人が目指す先は、エヴェレットが隠した120万ドルがある場所
ところがその場所は、人造湖にされる計画が進んでいてあと四日で水没してしまうという
長い道のりを急ぐ必要がありつつも、車も無く、金も無い三人は、それらを手に入れるべく様々な「寄り道」をする羽目に
アメリカ南部で男三人が脱獄、逃亡するという設定は「ダウン・バイ・ロー」(1986年)と思い出させる
もちろんコーエン兄弟も影響された上でのことだろう
三人のキャラクターという点では「ダウン - 」に及ばないものの、音楽の楽しさ、そして名脇役マイケル・バダルコの活躍で甲乙つけがたい快作になっている
明日は、久しぶりに観直して「やっぱりすごい」と思った作品を紹介します