引用元:Yahoo!映画
1988年公開のアメリカ映画
アラン・パーカー監督
公民権運動をテーマにした映画はたくさんあるし、本作には事実と異なる部分もあるけれど、意識して観た最初の作品ということもあって自分にとっての存在意義は大きい
南部の田舎町、ミシシッピー州フィラデルフィア(紛らわしい地名だ)で、三人の若者が行方不明になった事件を捜査する為に、FBI捜査官のウォード(ウィレム・デフォー)とアンダーソン(ジーン・ハックマン)がやって来る
上司のウォードは司法省出身のエリートで、部下のアンダーソンはたたき上げで元々は南部の出身
二人が聞き込み捜査を始めてすぐ、聞き込みに戸惑いながらも協力してくれた黒人がリンチされてしまう
この町では黒人が公然と差別され、日常的に暴力があり、保安官の中にはKKKに所属している者までいた
KKKには、黒人に対する差別や暴力というイメージがあるけれど、黒人に協力的な白人に対しても同じようにリンチを行ったりする(当時から理解のある白人も存在したことを示す事実でもある)
本作では、自分たちに不利な発言をした妻に対しても(仲間に対するアピールもあって)容赦ない攻撃を加える
本作の舞台になったフィラデルフィアだけでなく、南部のいたるところで今でもKKKの活動は続いている(黒人暴行死への抗議デモにトラックで突っ込んだ男が、KKKのリーダーだとわかったのは2020年の話)
本作には三人も好きな俳優が出演していて、三人とも本作から随分経ってからも名演をみせてくれている
ジーン・ハックマンは「ロイヤル・テネンバウムス」でクセのある父親役を、ウィレム・デフォーは「オリエント急行殺人事件」で教授役、また「誰よりも狙われた男」での銀行家を、そしてフランシス・マクドーマンドは「スリー・ビルボード」の強烈な母親役(もちろん他にも多数)
こうした名俳優の遍歴を観られることは、単品の鑑賞とはまた別の楽しみ
年齢の近い俳優に自分の成長(?)を重ね合わせたりできるのも、映画を長年観続けたことに対するご褒美でもあると思う