引用元:amazon.co.jp
2017年公開作品
フロリダ州、ディズニー・ワールドの近くにあるモーテル「マジック・キャッスル」
近くには非公認のディズニーグッズ店や同じような安モーテルが並んでいる
シングル・マザーのヘイリー(ブリア・ヴィネイト)は、6歳になる女の子ムーニー(ブルックリン・プリンス)と夏休みの間ここで過ごしていた
車も無く、遊ぶお金も無いながらも、ムーニーは下の階に住む男の子スクーティと隣のモーテルに住むディッキーと一緒に楽しみを見つけ出す
それはオトナから見ればダメなことなかりで、管理人のボビー(ウィレム・デフォー)にいつも叱られてしまうも「子供のすることだから」とボビーもたいていは大目に見ていた
何かとワケありな家族が集ってしまうこのモーテルで少々の面倒はボビーの裁量で処理されていた
ヘイリーは仕事にも就かず、スクーティの母親アシュリーが働いているダイナーからパンケーキをこっそり分けて貰ったり、福祉団体からの配給を受けたり、また時々ディスカウントショップで買った安物の香水をブランドの瓶に移し替えて近くのゴルフクラブの敷地内で売ったりしていた
時々家賃を滞納して警告を受けたり、食べる物に困ったり、ゴルフクラブから通報されたりしながらも何とか日々の生活を凌いでいたがそれも長くは続かず、ネットに広告を出して(ムーニーも居る部屋で)売春を始める
原題は「The Florida Project」
ディズニー・ワールドの開発段階での名称だったそうな
2008年のサブプライム住宅ローン危機の余波を描いた作品
「ノマドランド」をはじめ、同じ余波を描いた作品はいくつもあるけれど、どれも趣が異なるのが面白いし、違った角度から見ることで理解が深まる
そういえばアメリカでモーテルに泊まると短期的に「住んでいる」人や家族を見かけることがある
そうなった理由は知る由もないけれど、彼らがモーテルを選んだ理由が(価格だけではなく)あると思うと、詳しい話を聞きたくなってしまう
管理人役のウィレム・デフォーは、本作でアカデミー助演男優賞にノミネートされている
素晴らしい作品、演技だったけれど、数々の名演技を残してきたウィレム・デフォーが本作で初受賞、というのは意外だし、特に本作がというよりもこれまでの功労賞的なニュアンスもありそうな
明日は、越前和紙についての映画をご紹介