無人島シネマ

忘れてしまうには惜しい映画 および雑記

266. ブータン 山の教室

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引用元:iwanami-hall.com

 

2019年のブータン映画

 

 

ブータンの教職課程にも身が入らずドロップアウトしかけているウゲンは、歌手になる夢を追うために、年老いた祖母をブータンに残して彼女と一緒にオーストラリアに移住しようと考えていた

 

ところが学長から「北部にあるルルナに行って子供たちを教えなさい」と言われてしまい、標高4,800メートルにある僻地のルルナ村に赴任することになる

 

8日間かけて辿り着いたルルナ村は、人口わずか56人、電気も水道もなく、学校には黒板さえない

 

村長以下、村人全員が、村から二時間かけて出迎えてくれるという歓迎ぶりにもかかわらず、ウゲンは荒れ果てた教室と自分の為に用意された部屋を見るなり

 

「僕にはここで教えることは無理です 今すぐにでも帰りたい」

 

と村長に告げる

 

失望を隠せない村人たちだったが、村長はウゲンの言うことに理解を示し

 

「わかりました 準備が整い次第数日後に出発しましょう」と告げる

 

 

そして翌朝、まだ眠っているウゲンを生徒のひとりペム・ザムが起こしに来る

 

 

 

 

若い男性教師が(かなりの)僻地に赴任して、最初は苦労しながらも次第に溶け込んでいくというストーリーは「すれ違いのダイアリーズ」を思い出させる

 

赴任を嫌がるところまでそっくりで、本作でウゲンは「高山病が心配だから無理だと思います」とやんわり断ろうとする

 

 

彼らの言葉(ゾンカ語?)は、イントネーションが韓国語に似ている

 

韓国語を聞いている時に、時々挿入される英単語だけ理解できることがよくあるけれど、ウゲンが高山病を持ち出したことに対して学長は

 

「高山(altitude)が問題じゃなくてアナタの態度(attitude)が問題なのよ」と却下するシーンが面白い

 

 

 

何と言ってもブータン山岳地帯の風景の美しさと、子供たちの純粋さに(まるでウゲンと同じように)圧倒されてしまう

 

実際に「うわー」と何度か声に出してしまった

 

 

そして生徒を演じるペム・ザム

 

ウゲンは村長に対して断りを入れたけれど、こんな愛くるしい生徒が起こしに来たら授業を始めるしかない

 

このペム・ザム(実名)という少女は子役ではなく実際にこの村に住んでいる

 

まだ村から一度も出たことがない9歳の彼女は、いつの日か車に乗ることを夢見ている

 

そしてセデュによるブータンの歌も印象的、先日岩波ホールで観たジョージアの各地方の歌を思い出させてくれた(イオセリアーニ監督による「ジョージアの古い歌」)

 

ブータンからジョージアはかなり離れているけれど、その先のブルガリアにも素晴らしい(そして趣の異なる)民謡があって、ユーラシア大陸各地の歌をもっと聴いてみたいという気になる

 

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