引用元:Yahoo!映画
2014年のイギリス・アメリカ・ドイツ合作
ドイツの諜報機関のベテラン捜査官ギュンター・バッハマン(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、テロ対策チームを率いている
イスラム過激派組織の一員で、国際指名手配されているイッサ・カルポフ(グレゴリー・ドブリギン)が、ハンブルグ市内で確認されたという情報を入手し、居場所をつきとめる
イッサは左翼系女性弁護士のアナベル・リヒター(レイチェル・マクアダムス)と知り合い、父親が持つ秘密口座にある大金を引き出そうと銀行家のトミー・ブルー(ウィレム・デフォー)と接触を試みる
CIAも介入し、いよいよイッサの確保かと思いきや、ギュンターはこのままイッサを泳がせると主張する
この「泳がせる」という表現は(嫌な感じの上から目線でありながらも)何とも優雅な風でもある表現(昔、嵐山の近くに住んでいた時に見た鵜飼を想像してしまう)
英語でいう「Controlled Delivery」は「泳がせ捜査」であって、日本語の泳がせるという表現の方が幅広く使えそう
ちなみに泳がせ捜査とは規制薬物などを検知した際に背後にいる黒幕まで辿り着くために敢えて検挙せずに監視・追跡を続けること
コントロールド・デリバリー(CD)には、空港などで検知した際に薬物を塩などにすり替える「クリーンCD」と、そのまま現物を持たせる「ライブCD」の二種類がある
クリーンCDにすればすり替えたことがバレて逃げられてしまう可能性があるし、ライブCDでは最悪薬物を持ち逃げされることもある
面白いのが、クリーンCDの場合は(受け取り側は薬物であることを認識しているにもかかわらず)実際に受け取るものが薬物ではないので(ライブCDで捕まった場合よりも)刑が軽くなる(10年以下の懲役から2年以下の懲役)こと
「それならライブCDだけにすれば良いのに」と思ってしまうけれど、安全策としてだろうかクリーンCDの方が主流らしい
国際郵便の宛先は空き家で受取人も所謂「受け子」であるケースが多く、複数の仲介人と経て黒幕に辿り着くまでに数か月かかることもあるとか、、、何とも根気の要る話だ
同年2月に亡くなった、フィリップ・シーモア・ホフマンの遺作
彼が出演している映画は、無条件に格が上がるというか自然と雰囲気が醸し出される気がする、大好きな俳優のひとり
若くして(46歳)亡くなったのはとても残念だけど(「ダウト」や「カポーティ」、「その土曜日、7時58分」など、彼の出演した他の作品ではもちろん)本作でも彼の最高の演技が堪能できる