無人島シネマ

忘れてしまうには惜しい映画 および雑記

196. 男性・女性

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引用元:amazon.co.jp

 

 1966年のフランス・スウェーデン合作

 

ジャン=リュック・ゴダール監督

 

 

 

パリの雑誌社で働くマドレーヌ(シャンタル・ゴヤ)は、歌手になる夢を持っている

 

それは遠い夢ではなく、現実にデビュー曲録音の話が進む中、忙しい毎日を送っている

 

そんな折、喫茶店でポール(ジャン=ピエール・レオ)という青年に出会い、仕事について、また恋愛について、他にもいろいろな話題について(なかなか意見は合わないものの)ふたりは議論する

 

 

街は大統領選挙を目前にして熱を帯びていた

 

ポールは労働運動の活動をしている友人のロベールと一緒にビラを貼って歩いたりする中で、マドレーヌの友人エリザベートとカトリーヌと知り合う

 

 

頭でっかちな若者たちが集ってエゴを競い合っているような滑稽さもありつつ、当時のパリにしか無いスリリングな盛り上がりが魅力的

 

 

ちなみにフランスの大統領選挙は1965年以降国民の投票による直接選挙

 

そりゃあ熱を帯びるのも理解できる

 

どこかの国の様に派閥の理論で何となく決められてしまうと、国民としては「ああ、そうなんだ」としかならない

 

国民にビジョンを示して審判を仰ぐのではなく、党の中で選ばれなければならないのだから、普段身近にいる人たちから嫌われないようにすることが大事なのだろう

 

原則的には間接選挙だからダメなのではないし、直接選挙は一時的な気運や感情で票が集中してしまうリスクもある

 

しかし何とも盛り上がらないというか重みが感じられない近年の総裁選ではある

 

 

 

話を映画に戻すと、文化にしろ経済にしろ「成熟していない魅力」というものがあるけれど、混沌とした中で各自が持論をぶつけ合っている社会は(例えば今の日本の様に)良くも悪くも安定していて大局的な物の見方に変化が無く、個人の嗜好があくまでも個人の自由の中で確保される社会と比べると大いに魅力的に見える(その分、効率的な生活が送れるとは思うけれど)

 

 

全体の論旨や、ストーリーの完結性などは低い分、どのシーンを切り取っても、音楽、ファッション、会話の内容、どの要素においても魅力的 

 

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