無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

801. 恋するトマト

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引用元:amazon.co.jp

 

2005年の作品

 

大地康夫が企画、脚本、製作総指揮、主演を務めた意欲作

 

 

 

正男(大地康夫)は茨城県霞ヶ浦の農家の長男

 

45歳で独身

 

お見合いを何度しても断られ続け、高齢の両親もあと何年農作業ができるかわからない

 

同世代の仲間もお嫁さん探しに苦労していて、農家として後継者不足という問題に直結するだけに深刻な悩みになっていた

 

「どうせまた失敗する」と諦めつつも、僅かな望みを託して参加したお見合いで、都会の暮らしに疲れて農家に嫁ぎたいという景子(富田靖子)に出会う

 

しかし「今度こそは!」と意気込み過ぎた正男は、デートの終わり際にビニールハウスの中で景子に抱きつこうとして折角のチャンスをふいにしてしまう

 

 

あまりのショックに落ち込む正男だったが、見かねた仲間に連れて行かれたフィリピンパブでリバティというホステス(ルビー・モレノ)に出会う

 

保守的な両親は(外国人との結婚に)難色を示すも「跡継ぎが出来ないことには何も始まらない」と、了解を取り付け、リバティの両親に会いに、そして現地での結婚式を挙げにフィリピンに飛ぶ

 

ところが結納金として200万円を両親に渡した翌朝、昨日と同じ家を訪れると、そこはもぬけの殻

 

まんまと詐欺にひっかかった正男は失意のままマニラで路上生活を送る

 

 

 

日本の農家の「嫁不足問題」を面白おかしく描いた作品だろうな、と思って観始めたけれど、詐欺にひっかかった後のフィリピンでの生活を主軸に話が展開していく

 

本作の時代設定は明らかにされていないけれど、構想に13年かかったことからすると1990年くらいになるのだろう

 

当時の日本のGDP(世界2位)はフィリンピン(40位)の63倍の金額あり「日本に行って半年働けばフィリピンで家が買える」と言われた頃

 

経済が好調なのも、自由恋愛ができるようになるのも良いことではあるけれど、良い変化が悪い影響も与えるのも世の常だなあ、とつくづく思う

 

 

明日は、喧嘩の絶えないイギリス人家族を描いた作品をご紹介

 

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