無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

719. 牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件

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引用元:bitters.co.jp

 

昨日、

 

明日は、待ちに待った「台湾巨匠傑作選2023」から紹介します

 

と言っておきながら、K's cinemaに行ったところ

 

 

まさかの「満員御礼」

 

早めに座席確保しておくんだった(涙)

 

 

梅雨明けの猛暑の中、観られなかったのは残念だけど、初日から盛況なのは嬉しい

 

長野屋で美味しい焼き鯖定食を食べて、途中でパンを買って帰宅した

 

というわけで、「少年」は近いウチに観るとして、本日は同じく台湾映画で最も好きな作品をご紹介

 

 

 

 

 

「いつかは観たい」

 

と、何年も前から思っていながらも、4時間となるとつい気後れしていた

 

やっと重い腰を上げたのが3年前

 

疲れるどころか、観終わってすぐに部分的に観直し、また日を改めて最後まで鑑賞

 

それくらい入り込んでしまった作品

 

 

 

 

舞台は1960年の台北

 

門中学の昼間部への入学が叶わず夜間部に通っている小四(チャン・チェン

 

学校のすぐ傍にある、映画スタジオに忍び込んで撮影の様子を眺めるのが好きな青年

 

しかし、小公園という不良グループのメンバーと仲良くしているうちに、学校でも小さな問題を起こし始める

 

小公園は「217」というグループと対立していて、リーダーのハニー(リン・ホンミン)は最近誤って人を殺してしまい雲隠れしている

 

そんなある日、学校の保健室で見かけた小明(リサ・ヤン)という女生徒に小四は惹かれてしまうも、小明はハニーの恋人だった

 

リーダー不在の小公園は統制に欠け弱体化していく中、「217」のリーダー山東(シャンドン)は巧みに金儲けの話を小公園のメンバーに持ちかけ揺さぶりをかけてくる

 

不安定な小公園を救うかのようなタイミングでハニーが戻って来るも、山東に呼び出され、交通事故に見せかけて殺されてしまう

 

 

 

 

小四と小明の、(演技というよりも)10代の等身大の魅力がそのままフィルムに収められている感が何と言っても素晴らしく、ふたりの何でもない会話のシーンを観ているだけでも満足できる

 

そして仲間のキャラクターも、かなり個性的に描かれているのにもかかわらず、統一されたトーンを乱すことはなく、心地良い雰囲気を作っている

 

バンドの(サブ?)ヴォーカリストのリトル・プレスリーと呼ばれている少年(ワン・チーザン)の存在も、良いアクセントになっている

 

 

90分でも長く感じる映画もあれば、本作のように「観始めればあっという間」という作品もある

 

もちろん4時間分の情報量があるわけではないけれど、90分説明を聞くよりも4時間一緒に静かに過ごした方が理解できる、という風な感覚だろうか

 

 

 

明日は、東欧の架空の国から来た男が主人公の映画をご紹介