引用元:amazxon.co.jp
クラコウジア(東欧にある架空の国)からJFK空港に降り立ったビクター(トム・ハンクス)
彼が出国した後、母国でクーデターが起こり、政府が消滅
彼のパスポートは、残酷にも無効となってしまう
アメリカに入国することも、母国に戻ることも、アメリカに亡命することも叶わない状況に陥り、彼は空港内の乗り継ぎロビーで待機する羽目に
あまりに特殊なケースに、入国管理側も積極的な関与は行わず、ビクターに食事のクーポンとテレフォンカード、そして何かあったら呼び出せるようにとポケベルを手渡すのみ
国境警備の監督者であるディクソン(スタンリー・トゥッチ)は、ロビーからは容易に出国できるため放っておけばビクターが勝手に(不法に)アメリカに入国すると踏み、放置する
彼には近く昇進の話があり、ここで面倒な事に巻き込まれたくない、という思いが強かった
ところが真面目なビクターは、荷物用のカートを片付けることで(一台につき25セント)日銭を稼ぎながら、ロビーでの生活を続ける
パリの空港(ド・ゴール空港)で17年生活した人の話をベースにした作品ではあるけれど、原因を母国のクーデターにしたり、舞台をJFKにしたり、渡航目的や、空港での数々の出会いなど、かなり脚色されている
実際には、マーハン・カリミ・ナセリというイラン国籍の男性が、難民認定されていたものの、書類を盗まれてしまい入国できず、17年間空港で生活した後に病に倒れ、病院に搬送されている
その後、フランス政府から滞在許可が下りているとはいえ、ありのままを映画化されてしまうと、都合が悪いという国や組織や人もいるのだろう
もちろん「誰の手にも負えない」厄介な話かもしれないけれど、17年という時間は如何に彼らが役所仕事をしているのかの証明でしかない
彼が健康を維持していたら、どうなっていたのだろう?
個人的にはどちらの空港にも縁があって(成田・羽田以外では)一番多く使ってきたし、フライトスケジュールの変更などで5、6時間足止めされたこともある
乗り継ぎ便が翌日になってしまい、急遽空港近くのホテルに移送されたこともあるけれど(深夜・早朝便のためにロビーで横になっている人もたまにいて)「7、8時間ならこのままロビーでも良いけれどなあ」と思ったこともある
それくらい(人目を気にしなければ)雨風が凌げて、食べる物があって、スマホの充電も出来て、横になれるスペースもある場所ではあるけれど、その生活を強いられた理由と期間の長さを考えるとそんな悠長な話ではない
しかし、一度覚悟を決めてしまえば、それなりに暮らしていけるのかもと想像してしまう
明日は、「これでR-15なの?」と驚いた作品を紹介します