無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

389. プラスティック・シティ

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引用元:amazon.co.jp

 

二年に一度くらいの割合で、仁侠映画を観る

 

観る、というか観ることにしている

 

普段は観ないジャンルは他にも存在する(ホラーとか)けれど「好みではない」と、特に観なくても気にならないのに、仁侠映画には僅かな期待を残しているのか、定期的にチャレンジを続けている

 

今のところ受け付けない最大の理由は、描かれる命の軽さが作品そのものにも影響している気がして、次々に命が奪われることで高揚感を煽られれば煽られるほどに醒めてしまう

 

深く考えずにその迫力を楽しめばいいのだろうけれど、そうも器用に切り替えられないのが辛いところ

 

分かり易い極道モノならいざ知らず、人間ドラマ仕立てを装いつつもラストはドンパチという作品に出合うと、つい必要以上にガッカリしてしまう

 

 

 

2008年の中国・香港・ブラジル・日本映画

 

ブラジルで中国人の育ての親ユダ(アンソニー・ウォン)に育てられた日系ブラジル人のキリン(オダギリジョー)は、ユダが持っているショッピングモールで闇営業をして生計を立てていた

 

現地民ともうまく折り合ってそれなりに幸せな毎日ではあったが、東洋街のボスにまでのし上がったユダを失脚させようとする動きが次第に大きくなり、キリンは不安を募らせていく

 

そんな折、ユダのビジネスパートナーだった政治家のコエーリョが裏切り、ユダは投獄されてしまう

 

 

 

個人的にはブラジルの風景が観たくて選んだ作品

 

そういう意味では満足したけれど、ストーリーとしてはしっくりこなかった

 

オダギリジョーも全編ポルトガル語で好演し、「インファナル・アフェア」でウォン警視を演じた(他にも膨大な出演作)アンソニー・ウォンの存在感たっぷりな演技も素晴らしい

 

その反面、複数国による合作の(エキゾチックな魅力が増す反面、深みが出てこない)難しさ、そして(ネタバレになるから詳しくは書けないけれど)やはり命の重さの描き方にも違和感を感じた