引用元:amazon.co.jp
1993年のアメリカ映画
マイケル・ダグラスは、長いキャリアの割にはこれまで縁がなく「ブラック・レイン」くらいしか観たことがなかった
1991年の夏、ロサンゼルスのハイウェイは工事による車線規制で大渋滞していた
D=フェンスという男(マイケル・ダグラス)の車内は、強烈な日差しとアスファルトからの照り返し、車のエアコンと窓は壊れていて蒸し風呂状態、汗だくの首筋に蠅がとまったり、、考えられる限りにおいて最悪に耐えがたい状況
1ミリも進まない渋滞にキレたD=フェンスは、車を降りて何事かと注目する周囲のドライバーたちに向かって「娘の誕生日だから家に帰る」と告げ、その場から立ち去ってしまう
公衆電話から家に電話をしようとするも小銭が無いことに気付き、近くのコンビニに立ち寄り両替を頼むと、韓国系のオーナーに「何か商品を買ってお金を崩せ」とぶっきらぼうに言われ、、
という最悪な展開に、D=フェンスの堪忍袋の緒が切れてしまう
「無実の善良な市民がちょっとした歯車の狂いから、、」という可哀想な話なのか
「平凡に見える中年男は、実はかなりのサイコで、、」というホラーなのか、判別がつかない状態でストーリーは展開していく
次第に後者であることがわかってくるけれど、この日に退職日を迎えた警官(ロバート・デュバル)が、D=フェンスが引き起こす騒動に巻き込まれていくことで(もっと前者の要素で、エンディング直前まで引っ張って欲しかった気もするけれど)、最後まで飽きさせない
D=フェンスを精神異常と捉えるのか、或いは極度の更年期障害と見るのか
警官の妻(最後の出勤日というのに昼前から「すぐ帰ってきて」と何度も電話してくる)の様子を対比させることで、観る側に安易に決断させないようにしている気もする
白の半そでシャツにネクタイ、角刈り、ブリーフケースという、D=フェンスが身につける小道具は、分かり易く効果的ではあるけれど、その反面安易な表現に映ってしまう気がした
明日は、強過ぎる武士の映画をご紹介