無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

388. これが私の人生設計

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引用元:amazon.co.jp

 

2014年のイタリア映画

 

セレーナは建築家になる夢を叶えるため、幼い頃から父の職場で腕を磨き、海外各国で学位を取り、そして各国の現場で実際に活躍もしてきた

 

そんな自分の次のステージとして母国イタリアに戻ることを決めるも、そこは完全な男社会

 

面接を受けても受からないどころか、まともな対応すら期待できない始末

 

お金も無くなりウェイトレスのバイトを始めたところ、美男のオーナー、フランチェスコに親切にされる

 

すっかり舞い上がるも彼はゲイで、自分を異性としてみていないことがわかり、親友として同居(セレーナが居候させてもらう形)することになる

 

偶然公募を見つけた公営住宅のリフォームのコンペに応募したセレーナは、面接会場でまたしても(女性であることで)屈辱的な扱いを受け、咄嗟に自分が男性建築家のアシスタントと嘘をついてしまう

 

果たしてその嘘が効いたのか、彼女の企画は彼の上司の案として採用されてしまう

 

 

 

 

仕事で欧州の建築チームとやりとりすることがあるのだけれど、(欧州の他の国の会社でも建築部門は)イタリア人比率が高く、しかも本作に出てくる名前と被っていたりもして個人的にはリアル過ぎて落ち着いて観られなかった

 

イタリア人に建築家が多いことは、ローマ建築からの歴史を感じさせて(そのお国柄が感じられて)微笑ましい

 

自分が関わっている建築チームにも女性がいて、その人はチームの実務の中心で活躍しているし、周囲からもリスペクトされているから、本作を観て(まあ、観なくても想像はつくけれど)コメディとして脚色、誇張されているのを感じる

 

一方で、ひと昔前なら実際の現場でも本作のような出来事があったのだろうし、自国の優位性や誇りを認識しているだけに他の国よりも「時代遅れな組織」になっていたことは容易に想像できる

 

 

ちなみに前述の彼女は結構強引な仕事の進め方をするし、なかなか意見を曲げないせいで敵も多いのだけれど、そうでないと生き残っていけない環境でキャリアップしてきたのだろうなあと、本作を観て想像した