引用元:amazon.co.jp
ドイツ人の映画監督ハーマン・バスケが、世界中を駆け回って、107人に
「なぜあなたはクリエイティブなのですか?」
という質問をしたドキュメンタリー
実際には1000人以上にインタビューを行い、厳選した107人がコメントする映像をまとめたもの
ヴィム・ヴェンダース、クエンティン・タランティーノ、デビット・リンチなどの監督や、ウィレム・デフォー、シャーロット・ランプリングなどの俳優陣など好きな映画関係者も多く、他にも美術、音楽、建築など様々な分野で活躍している何とも豪華なラインナップ
クリエイティブという言葉から何(どういうもの、思考、行動)を思い浮かべるのかはバラバラで、88分の映像を観ながらその多様性に翻弄されながら、ひとつひとつに自分の感想を重ねながら観るのが楽しかった
ある人は「クリエイティビティは生まれもってのギフトで、それ無しには生きられない」「常に急き立てられていて不自由さえ感じる」というある意味ステレオタイプな芸術家的コメントをし、
またある人は「すべての子供がクリエイティブであるように、誰しもが持っているもので、日常生活にも溢れている」と言う
別の人は「奇想天外なアイディアそのものには意味がなく、それを現実的なもの(作品など)に落とし込む作業こそがクリエイティブなのだ」と主張する
今まで見たこともない独創的な建築物でさえ、安全や機能という制約の中でデザインをどう活かしていくのかという面においては、綿密な計画や地道な基礎作りが必要であり、デザインよりも独創性(更に知識と経験)が求められるケースもあるだろう
50年先の社会を考えて政策を練る政治家にも、接客方法を常に模索する販売員にも、クリエイティビティがある反面、手持ちのパターンの出し入れで生き延びているデザイナーや建築家が、過剰にクリエイティブについて語るケースもあるだろう
クリエイティブに生きるということは、既成概念やルール、組織や家族などの制約を受けるものでも、それらを壊すものでもなく、誰もが(他人との比較ではなく)自身の基準の中で成し得る、或いは発見することなのか、と感じた
自分ではあまり使いたくない単語ではあるけれど、その意味するところは時々考えてみたくなる
明日は、ジブラルタルに近い街が舞台の映画をご紹介