無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

442. 建築学概論

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引用元:Yahoo.co.jp

 

2012年の韓国映画

 

韓国国内で大ヒットした作品ということも知らずタイトルに惹かれて鑑賞

 

監督のイ・ヨンジュは大学で建築を学び、建築士として10年働いた経験もあるという

 

 

 

 

身近なところで建築といえば、職場の窓からよく見える、国立劇場・国立演芸場来年の10月末で、建て替えの為に閉場する

 

再開場は 2029年の秋になるという(どうしてそんな年月かかる?)ので、まだ見納めというには早いけれど、演芸場の寄席に行ってきた

 

コロナ前は新宿や池袋(上野・浅草は遠いので)の寄席に時々行っていたけれど、かなりご無沙汰してしまった

 

半蔵門にある国立演芸場は、キャパシティもほどほど(300席)で、どの席でも問題なく楽しめるし、商業地域ではない落ち着きが客層にも反映されるのか、迷惑な人が少ないのも有難い

 

見た目にはキレイながら、国立劇場が1966年、演芸場が1979年の開場と、老朽化が進んでいるという理由で、7年後に劇場・演芸場に加えてホテルやレストランも入った施設になるという

 

現在の正倉院のような外観と小さな庭も良いけれど、新しい建物がどうなるのか今から楽しみ

 

 

 

 

 

ソンミン(オム・テウン)はソウルにある設計事務所で働いている

 

建築士ではあるものの、自身で設計した建物はまだない

 

そんなソンミンの元にひとりの女性が訪ねて来る

 

カン(ハン・ガイン)という名の女性は大学時代の友人で、済州島に家を建てて欲しいと言う

 

「自分は設計事務所の一介のスタッフだから」と折角の依頼を渋るソンミンに対し、上司の「ありがたいお話、頑張ってみろ」の一言もあり引き受けることに

 

 

医師と結婚し裕福な暮らしをしているというカンと、ソンミンのやりとりはどこかぎこちないものの、何とか軌道に乗り完成に向かっていく

 

学生時代にソンミンは建築学部、カンは音楽部ながら教養科目でふたりとも「建築学概要」を選択していた

 

課題にペアで取り組んだりする中で友人以上の関係だったにもかかわらず、煮え切らないソンミンがプレイボーイな先輩とカンの仲を勘違いして以来疎遠になってしまった

 

何事もなかったかのように建築を依頼してきたカンの神経を疑いながら、ソンミンはこれからフィアンセと結婚し渡米する準備と、ソウルの実家い残すことになる年老いた母親の心配をする

 

 

 

いわゆる学生時代に思い描いていた未来と、社会人になってからの現実のギャップを描いた恋愛映画ではあるけれど、オトナになると不思議とどこか棘のある物言いをしてしまうところや、それでも昔叶わなかった想いを伝えようとする気持ちなど、巧く描かれている

 

こんな体験を学生時代にした人もまずいないだろうに、大ヒットするほどの共感を得られる魅力に溢れた作品

 

 

 

済州島の家は、撮影終了後に取り壊されたものの、映画が大ヒットしたことを受けて翌年カフェとしてオープンしている

 

済州島にはまだ行ったことがないけれど、もし機会があったら(建築としても魅力的だったから)カフェにも行ってみたい