無人島シネマ

忘れてしまうには惜しい映画 および雑記

324. パイナップル・ツアーズ

 

久しぶりに渋谷のイメージ・フォーラムにて

 

「前回は何の映画を観に来たんだっけか?」

 

と考えながら渋谷から宮益坂をせっせと上りながら「JACO」或いは「ムーンライト」、「スプリング、ハズ、カム」のどれか?と考えながらついには思い出せなかった

 

 

 

今月15日で沖縄返還から50年

 

この機会に!と、普段はドタバタ活劇は苦手ながら劇場にて鑑賞

 

 

沖縄の離島、具良間島(架空の島)

 

米軍が落とした不発弾が眠っていると言われているこの島を舞台に、繰り広げられる三つのオムニバス

 

琉球大学映画研究会出身で、本作が劇場公開デビューとなる、当時20代の三人の監督、中江裕司真喜屋力、當間早志(とまはやし)が、各エピソードを担当

 

 

 

原因不明の不調で声が出なくなってしまった具良間島出身のオペラ歌手の麗子(兼島麗子)は、この島のユタに診て貰おうと大学生の娘由美子と一緒に里帰りするも、ユタから思わぬ治療法を告げられる(真喜屋力監督による「麗子おばさん」

 

 

ヤマトからフラフラとこの島に流れ着いた青年ヒデヨシ(利重剛

島の年寄り連中は、何とかこの男を島に定住させるべく、島の娘春子(宮城裕子)と良い仲にしてしまおうと画策、島の言葉がわからないヒデヨシを、子宝に恵まれるお社「シロミキヨ」まで春子に連れて行かせる(中江裕司監督による「春子とヒデヨシ」

 

 

アキラ(津波信一)と夏子(仲宗根あいの)は「爆弾小僧」というパンクバンドで活動している ある日、東京から島にやってきたディベロッパーのスギモト(洞口依子)が、この島の不発弾に(持参した)1億円の懸賞金をかけたことを知り、島中が盛り上がっているのを利用して1億円を強奪しようとする(當間早志監督による「爆弾小僧」

 

沖縄返還から50年と聞くと、第二次大戦から25年もアメリカ統治下だったこと、米ドルが使われ、左ハンドルに右側通行、本土に行くにはパスポートが必要だったという事実や、軍事上の意義や歴史などに意識が行ってしまうけれど、この映画のエネルギーに「それだけじゃ足りない」と言われているような気がした

 

90年代前半は、BEGINがデビューして「恋しくて」や「涙そうそう」、そしてTHE BOOMの「島唄」などのヒットもあって沖縄が注目されたけれど、それも頷けるほどの勢い

 

それは1972年の大島渚監督「夏の妹」で描かれる沖縄にはないもの

 

本作にぴったりの音楽を担当しているのは、彼らよりも少し早く(1987年)デビューしたりんけんバンドだった

 

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