引用元:amazon.co.jp
さすがに好きな映画で10選だと選ぶのに日が暮れてしまうので
「好きな漢字二文字の映画10選」にしてみた(順不同)
1. 別離 (2011/IRAN) 娘の教育の為に海外へ移住しようとする妻と、父親の介護の為にテヘランに留まりたい夫のすれ違いを描いた作品
2. 少年 (1969/日本) 事実婚の男女が子供二人と4人で当たり屋をしながら生計を立てていく話 大島渚監督
3. 凶悪 (1999/日本) 獄中の死刑囚が記者を呼び寄せて警察も知らない余罪について話し始めるサスペンス・スリラー
4. 団地 (2016/日本) 長年営んできた薬局を畳み、団地に越してくるも上手く馴染めないちょっと変わった夫婦の話
5. 皆月 (1999/日本) マイホーム購入を目指して必死で働いてきた男が妻に逃げられ、義理の弟と知り合ったばかりの女と三人で行方を追う
6. 麦秋 (1951/日本) 「晩春」、本作、そして「東京物語」と続く原節子演じる「紀子三部作」の二作目 小津安二郎監督
7. 裏窓 (1954/US) 言わずもがなのヒッチ・コックの名作 グレース・ケリーはこの年「ダイヤルMを廻せ!」を含む5作品に出演
8. 黄昏 (1981/US) 幼い頃から抱えていた父親への複雑な想いを胸に両親が住む湖畔の別荘に向かう ニューハンプシャーの自然が美しい
9. 幸福 (1964/FRANCE) 本当の誠実さとは何?と真剣に観ていいものか迷ってしまう究極のフランス映画
そして最後は
10. 追憶 (1973/US)
映画ファンでなくても本作の主演、バーブラ・ストライサンドが歌うテーマ・ソングには聴き覚えがある(メロディを口ずさめる)人も多いだろう
ブラジルにはサウダージという「郷愁」や「切なさ」などの意味合いを持つ言葉があるけれど、英語や日本語にはこれに該当する言葉がない
場所が変われば人が思うことも多少は違うわけだから「訳せない言葉」があるのも自然なことだし(将来AIに支配されてしまわないためにも?)良いのかもしれない
これをアメリカ音楽で例えるとどういうものになるのか?と(そんな必要はないのに)考えてみるとカントリー、ゴスペルのベースを感じさせるフォスター(「ケンタッキーの我が家」、「主人は冷たい土の中に」など)のような音楽が近いニュアンスなのでは?という気がする
さらにサウダージのニュアンスを求めるとなると、アメリカ人にとっては本作のテーマ・ソング辺りになるのではないだろうか?(とはいえ多種多様な背景、文化を持つ人の集まりだからひとつに絞るのも無理があるけれど)
なんてことを本作を観ながら考えてしまった
自由な考え方で、クラスでも人気者のハベル(ロバート・レッドフォード)と、頑なに左翼思想に傾倒しているケイティ(バーブラ・ストライサンド)
タイプの異なるふたりが大学で出会い、卒業後に別々の道に進む
学生時代から小説を書いていたが、その後軍人となっていたハベルはニューヨークで偶然ケイティと再会し結婚する
ハベルの小説が出版されると脚本家として映画界で認められるようになるも、時は50年代で反共産運動が盛んになり、映画関係者の間にも赤狩りの手が及ぶようになるとケイティの政治熱が再発し、自身の妊娠中にもかかわらず仲間と一緒に政府に抗議に行ってしまう
しかしその行動が裏目に出て反政府的な表現への規制が強まり、ハベルの仕事にも悪影響を及ぼし始める
そんなケイティの理想主義に疲れ果てたのか、ハベルは学生時代の女性と浮気をしてしまう
大好きな作品ではあるけれど、本作を観る前にサタデー・ナイト・ライブ(SNL)で揶揄われている女優としてバーブラ・ストライサンドを知ってしまったのは致命的(?)だった
いくらシリアスなシーンになってもつい「アメリカでもこういうタイプは冷かされるんだなあ」と思って観てしまう
本作のケイティ役が政治的な姿勢を強く打ち出していることろなど、本人と重なる部分も多い
熱い演説をするシーンなどは、その後SNLでパロディ化される要素が満載で、つい(本人はある程度自虐の感覚も持ちながら)意識しての演技か?と、深読みをしてしまう
そしてこのパロディのバックに流れるテーマソングがぴったりなんだなあ、、