引用元:video.unext.jp
先日「いとみち」で、津軽弁に苦労したばかりのところに、今回は鹿児島弁
本州最南端の町、南大隅町にやって来た女子アナの児島貴子(夏帆)
全国放送番組で活躍していたところを、自らの不倫騒動で降板させられてしまう
そして、日本全国にある地方の祭りをとりあげるという、労力の割に地味な企画ながらも、再起を期すためにと「幼い頃に一年だけ住んでいた鹿児島の御崎祭りならば」と引き受ける
しかし、仕事を始めた頃の情熱はすっかりなくなってしまった貴子は、いつもの投げやりな姿勢でかつての郷里に入り、出迎えてくれた市役所の職員や地元住民からスキャンダルを冷やかされたり、彼らに祭りを盛り上げようとする姿勢が見えないことに、すっかり腐ってしまう
不倫をしたりスクープされたりするのは、特別な人たちだけでも、仕事に情熱を失っていく過程、例えば長時間仕事に費やし、納得できない指示にストレスを抱えてはいるけれど、日々の忙しさ(目の前の予定)に振り回されているだけで、かつての熱量では働けないという感覚は、理解できる
しっかり労働しているとも思うし、同じ熱量を維持することの方が異常とも思うけれど、そういう言い訳では「仕事に納得できない欠損感」がリアルに伝わって来る
最近「静かな退職」という表現をよく目にするけれど、それよりも数段まともな主人公の姿を見ていると、(静かな退職よりも)多くの人が共感できるのではなかろうか
とはいいつつも、映画の終盤では貴子が地元民としっかり「きばって」祭りを盛り上げてくれる
明日は、アキ・カウリスマキ監督作品をご紹介