引用元:amazon.co.jp
恐らく高校生の頃にテレビで鑑賞したきり
それから年数が経ち過ぎて、細かいところはすっかり忘れているだろうに、大筋は忘れようもないタイプの作品だけに、「今更観直すのもなあ」と思いつつも鑑賞
ザック(リチャード・ギア)は、13歳の時に母親が自殺し、怠惰な生活を送っていた水平の父親に引き取られる
赴任していたフィリピンでも、またシアトルでも娼婦と過ごし、朝からビールを飲んでいるような父親と一緒だったザックは、大学卒業を機に、地元にあるレーニエ航空士官候補生学校に入学する
そこではフォーリー軍曹(ルイス・ゴセット・ジュニア - 大ヒットドラマ「ルーツ」ではクンタ・キンテの友人・フィドラーを演じている)が、ザックたち候補生を(心身共に)限界まで追い込む訓練を行っていた
ザックは過酷な訓練にも何とか耐えながら、オクラホマから入学してきたシド(デヴィッド・キース)と一緒に、町の懇親パーティーで会った製紙工場に務めているポーラ(デブラ・ウィンガー)とリネット(リサ・ブロント)と仲良くなる
今回観直してみて一番に感じたのは、今ならジェンダーの観点で大いにひっかかる個所が多いということ
士官候補生が女性を捨てることが多い町で、女性は何とか男性から選ばれ、そして結婚まで漕ぎ着けようと奮闘する
有名なラストシーンも、ザックが、ポーラの勤めている製紙工場に無断で入っていき、抱きかかえて去っていく(それを周囲は羨望と祝福の眼差しで見守る)
他にも、父親がザックと暮らしている家に娼婦を呼んでいたり、フォーリー軍曹が訓練中に女性士官候補生ケイシー(リサ・アイルバッハー)に対して執拗に揶揄ったりという、ジェンダー論者ならバッサリ切り捨てるシーンの連続
しかし、過酷な訓練を克服する女性士官候補生も登場するし、町の女性も卒業の見込みのない男は相手にしなかったり、それなりにバランスしている部分もあって、「今の時代に観るのに相応しくない作品」とまでは思えない
むしろ本作のように部分的に「どうかと思う」作品を観て、今の感覚と照らし合わせることも(感覚の育成には)必要な気も、、、そう思わなければ、過去の名画のいくつかは「観るべきではない作品」になってしまう
ちなみに監督のテイラー・ハックフォードは、大学で国際関係学と経済学を学んだ後に、ボランティアでボリビアに行ったという変わり種
そこで8mmカメラを手にしたことで自分は映像の世界に向いていると判断、ロサンゼルスのテレビ局に入社し、その後自身で映画を撮り始める
本作のヒット後も、「Ray/レイ」の監督や「ラ★バンバ」の製作など、音楽系の映画にも携わっている
明日は、昔の友達に会いたくなる映画を紹介します