引用元:amazon.co.jp
前回「早熟のアイオワ」のラストシーンで「Ain't No Mountain High Enough」が使われるという話をした
まさか、連続でそんな作品を観ることになろうとは思いもしなかった
というか、こんな偶然があるのか?
本作の方が3年後だから、オマージュとして同じ曲を使用した可能性はゼロではないけれど、作品の内容からしてそれは考えにくい
「早熟の - 」の設定は70年代のアメリカだから何の不思議もないけれど、本作は現代(製作は2011年)のブエノスアイレス
有名な曲とはいえ、今さら感があるし、歌詞の内容もフィットしているとは言い難い
2011年のアルゼンチン・スペイン・ドイツ合作
原題「Medianeras」中央値 = ありふれた生活というようなニュアンスなのだろうか?
いづれにしてもコレも安易過ぎる邦題
こんな邦題では観る人の数が減ってしまうのでは?と心配になってしまう
(少なくとも自分はタイトルのせいで観るのを迷ってしまった)
確かに独身の男女が中心のストーリーではあるけれど、この邦題から想像するような「よくある恋愛もの」ではないし、ブエノスアイレスの生活や建築事情なども垣間見られて内容にも満足した
冒頭の数分、ブエノスアイレスの街並み(というか上空から高層ビルなどを映しているからビル並みといった感じの映像)で、すっかり観る気が高まってしまう
自宅で仕事ができることもあって、7年前に彼女にフラれてからはススという名前の犬と高層住宅に引きこもっている
それは「靴箱」と呼ばれる単身者向けのアパートメントでごく小さな窓しかない
マルティンは腰痛になり医者に診てもらう
向かいのアパートメントに住むマリアーナは建築家
しかし働き始めて2年も経つのにまだ何も(模型以外には)造っておらず、店舗のウィンドウ装飾の仕事をしている
彼氏と別れたばかりで、職場の知り合いと食事に出掛けたりプールでアドバイスをくれた精神科医の誘いを受けたりするも、なかなかうまくいかない
彼女は閉所恐怖症でエレベーターに乗ることが難しく、また人込みも苦手で時々取り乱してしまう
30代の男女が自宅で過ごす時間が長過ぎて、まるでコロナ禍の生活を先取りしたかのよう
ふたりとも部屋に置いてある小物や飾ってあるオブジェなどに感じの良い主張がある
こういう部分も一人暮らしならでは、、というフレーズで片づけないでもう少し(自分の部屋の装飾も)頑張ろうと思わせてくれる作品
明日は、全編名古屋ロケの作品をご紹介