無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

1113. サニー 永遠の仲間たち

引用元:filmarks.com

 

ソウルに暮らす42歳の主婦イム・ナミ(ユ・ホジョン)

 

仕事熱心なお陰で裕福な生活を送ってはいるが、夫は家のことには一切関心がなく、姑の小言も、扱いが難しくなった娘も、家のことすべてケアする妻の不満も、すべてお小遣いで解決できると思っている

 

ある日、入院している母を見舞いに行ったところ、同じ階のすぐ近くの病室から大きな呻き声が聞こえた

 

容易に想像ができる深刻な病状に、イム・ナミがふと入口にある患者名の表示を見ると、そこには旧友と同じ名前ハ・チュナと記されていた

 

チュナは、高校生の時、特に仲の良かった7人組のリーダで、田舎の漁村から転向してきて揶揄われていた自分を助けてくれた、イム・ナミにとっては特別な存在だった

 

そんな彼女との再会を喜びながらも、今は癌で余命二か月という状況に愕然としてしまう

 

帰り際、「また来るから、何か欲しいものはある?」と尋ねたイム・ナミに対して、「特にないわ、ありがとう」と返すチュナだったが、その直後

 

ひとつお願いがある

 

と、イム・ナミに、かつての仲良しグループ「サニー」のメンバーに会いたい、と告げる

 

 

 

そして25年前、17歳だったサニーのメンバーが高校生活を送る様子と、現在はバラバラになってしまい、それぞれ言えない苦境やトラブルや不満を抱えた42歳の暮らしぶりを交差させながら描いていく

 

 

 

四半世紀も経てば、つき合いにある程度の距離もできるのは理解できるけれど、どうして全員が疎遠になっていたのか、また対立するグループとの抗争(笑)を、当時独裁政権に反対するデモ隊と警察の衝突に重ねたり(イム・ナミの兄もその運動にのめり込み、いつ逮捕されてもおかしくない状況だった)、そして何よりも7人のキャラクターがリアルに描かれていて、最後まで楽しめた

 

82年生まれ、キム・ジヨン」は、タイトルの通り1982年生まれだから、2024年時点では42歳

 

本作は、2011年の公開で、同じく42歳になった女性たち

 

どちらの作品も、同世代はもちろんのことその前後の世代でも「わかるわかる」と共感を得たけれど、「82年生まれ、キム・ジヨン」が個を描いているのに対して、本作は7つの個とその繋がりを描いている

 

 

明日は、まったく落ち着いて観られない映画をご紹介

 

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