無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

438. 許されざる者

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引用元:amazon.co.jp

 

最近、「ライフ・ゴーズ・オン」(モンタナ州)、「ブロークバック・マウンテン」(ワイオミング州)、「マイ・プライベート・アイダホ」(もちろんアイダホ州)など

 

アメリカの地図で左上の方にある(笑)州境線が真っすぐなところ  が舞台の作品を続けて観た

 

別に意地になっているわけではないけれど、今回は1881年ワイオミング州

 

 

 

ビッグ・ウィスキーという小さな町の酒場(二階が売春宿になっている)で、娼婦がちょっとしたからかいで短気な客を怒らせてしまう

 

そのカウボーイの男が娼婦の顔を切りつけてしまったことで、保安官のリトル・ビル(ジーン・ハックマン)のお出ましとなり、ペナルティとしてカウボーイが店主に馬を差し出すことでその場を治めることになる

 

この結果に店主は理解を示したものの、女性の顔に傷を負わせた償いが馬ではフェアではないと(そりゃそうだ)娼婦たちは怒りが収まらない

 

彼女たちは考えた結果、自分たちの有り金とこれからの稼ぎを合わせた1000ドルの賞金をカウボーイの首にかけることにする

 

季節はちょうどカウボーイたちが南へ移動する頃、ビッグ・ウィスキーに立ち寄る男たちに娼婦が宣伝したことで、この話はたちまち州を越えて広まる

 

 

その頃、カンザス州では、かつて極悪残忍な殺し屋として名を馳せたウィリアム・マニー(クリント・イーストウッド)が二人の幼い子供と静かに暮らしていた

 

マニーは11年前に妻と出会ってからそれまでの生き方を改め、殺しはもちろんギャンブルも酒さえも絶ち、まっとうな生活を送るも三年前にその妻が病気で亡くなってしまう

 

それ以来、仕事(農業)も上手くいかず、三人の暮らしが行き詰まったある日、スコフィールド・キッドと名乗る若者がマニーの元を訪れ、「1000ドルの懸賞金をいただきにワイオミングにカウボーイを殺しに行こう」と持ち掛ける

 

 

 

 

 

主演、製作、そして監督を務めたクリント・イーストウッドは、10年以上前に買い取っていた脚本を自分が同い年になるまで待ってから本作の製作に入った

 

約30年前に自らがブレークした「ローハイド」で使用したブーツを履いて

 

その甲斐あってか、本作はアカデミー作品賞に輝く

 

 

 

先述の州境が真っすぐなところといえば、アメリカ広しと言えども「4つの州が交わる地点」は、意外にも1つしかない

 

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ユタ州コロラド州アリゾナ州そしてニューメキシコ州が交わる、その名も「フォー・コーナーズ」というところ

 

実際に行ってみると、モニュメントのように四つに区切られたスペースがあり、その後ろに各州の州旗がはためいている

 

たったそれだけの場所にもかかわらず、その中心点で右足、左足、右手、左手をそれぞれの州に置いて写真撮影をする人がポツポツ居る

 

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この辺りは、隣の州まで400km、500kmかかることもあるから、四つの州に跨るというのもなかなかの達成感(?)だけど、何とも間抜けな恰好ではある(もちろん仰向けでポーズをとる人も) 

 

問題は、たったこれだけの達成感のために、再び何百kmもドライブしければならないこと

 

馬で移動した当時のカウボーイを思えば何でもないのだろうけれど、今でもちょっとした自慢ではある(笑)