無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

554. さらば冬のカモメ

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引用元:amazon.co.jp


1969年「イージー・ライダー」、1970年「ファイブ・イージー・ピーセス」に続いて1973年に公開されたジャック・ニコルソン主演のアメリカン・ニューシネマ

 

 

 バージニア州にあるノーフォーク海軍基地

 

バタスキー(ジャック・ニコルソン)とマルホール(オーティス・ヤング)にある任務が下るところから話はスタートする

 

その任務とは、8年の懲役を言い渡された若い隊員ラリー(ランディ・クエイド)をメイン州ポーツマスにある海軍刑務所まで護送するものだった

 

どんな凶悪犯なのかと思いきや、40ドルの窃盗(しかも未遂)だという

 

しかしその40ドルは、司令官のご婦人が設置した募金箱の中のお金だったことで思わぬ重刑となってしまった

 

ご褒美的に5日という長い期間とお手当が与えられたことで、バタスキーとマルホールは、さっさと護送を済ませて帰りにたっぷり楽しもうと、ラリーと共にグレイハウンド・バスに乗り込む

 

 

 

道中で、カムデン(フィラデルフィアの近く)、ニューヨークなどで寄り道し、三人はビールを飲んだり、喧嘩したり、宗教の集まりに参加してみたりするうちに、友情が芽生える

 

これから8年の刑期が待っているラリーに、実家に寄って母親に会わせようとしたり、まだ経験の無い彼に娼婦を抱かせようとしたりする

 

 

 

散々映画を観てきて今更ではあるけれど、こういう作品を観ていると、当時のアメリカの様子が 伝わってくるのが嬉しい

 

73年といえば、米軍がベトナムから撤退し、映画では「スティング」、「スケアクロウ」、「アメリカン・グラフィティ」が公開され、音楽ではスティービー・ワンダーが「迷信」や「サンシャイン」などのヒットの連続で全盛期を迎え、野球では個性派揃いのアスレチックスがメッツを破ってワールドシリーズを制している(低迷期を迎えたヤンキースが、クリーブランドの造船王スタインブレナーに僅か1,000万ドル!で買われたのもこの年)

 

移動する列車の中、売店やホットドック屋などのシーンから、こうした出来事のあった73年のアメリカを吸収するような感覚で鑑賞 

 

 

 

2017年に「30年後の同窓会」という作品が公開されている

 

役名もキャスティングも違うため正式な続編ではないものの、バタスキー役の男は海軍を退役した後にバーを経営し、9.11で息子を亡くしたマルホール役の男と再会を果たすという内容

 

こちらもいつか観てみたい

 

 

 

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