引用元：amazon.co.jp
2005年のアメリカ映画
1963年のワイオミング
ひと夏の仕事として羊の放牧をしにブローバック・マウンテンにやってきたイニス（ヒース・レジャー）とジャック（ジェイク・ギレンホール）
何頭もいる羊が夜に襲われないように見張ったり面倒を見る仕事だが、熊に遭遇したり他の羊の群れと入り混じってしまったり嵐に遭ったりと、なかなか厳しい環境での仕事だった
イニスとジャックも仲良く協力して何とか過酷な毎日を乗り切っていたが、ある夜ジャックからの誘いでふたりは一線を越えてしまう
「俺はゲイじゃない」
とお互いが言い、契約期間の終了と同時にふたりは別れる
秋になりイニスは婚約者のアルマ（ミシェル・ウィリアムズ）と結婚し、後にふたりの娘が生まれる
ジャックの方は、次の夏にもイニスに会えることを期待してブロークバック・マウンテンに戻ってくるも仕事にはあり着けず、イニスの姿も無いことにショックを受ける
そしてテキサスに流れ着いたジャックは、ロデオ・クィーンのラリーンと結婚し、彼女の父親が経営するトラック販売の会社で働き始める
それから4年後、ジャックがイニスの元を訪ねる
久しぶりの再会に興奮し、アパートの陰で抱き合いキスをするふたりをアルマは見てしまい愕然とする
そしてイニスはアルマに「数日ジャックと釣りに出掛ける」と言い、家を出る
ふたりの男性が惹かれ合うこの話は、1963年から1983年の20年（随分昔の話）であること、また舞台がワイオミングであることが大きな意味を持つ
同じアメリカでもサンフランシスコでなら、あるいは同じワイオミングでも最近の出来事であれば、（それがハッピー・エンドになるかは別として）こういう結末にはならなかっただろう
またいくつかの重要な出来事（ネタバレになるので書けないけれど）の描写が極めて抽象的（あるいは抽象でさえなくて）で、想像で補いながらストーリーをつなぐ必要がある
「読み解きの余白の広さ」が本作を特別なものにしている要因のひとつ
数年後に観直したくなる作品
ちなみに夫婦役を演じたヒース・レジャーとミシェル・ウィリアムズは私生活でも公開同年に婚約、長女が誕生している
