引用元:amazon.co.jp
2016年のアメリカ映画
モンタナ州に住む女性たちの生活を描いた作品と知って、モンタナ州の風景とそこに暮らす人たちの映像が観たくて選んでみた
何しろ行ったことも通過したこともないし、州に関して知っていることがイエローストーン(国立公園)しかない
労災を主張するクライアントに手を焼く弁護士のローラ(ローラ・ダーン)
そのクライアントは弁護を依頼する前に補償金を受け取っていて、どうにも勝ち目の無い訴訟にもかかわらずローラは丁寧に対応する
しかし不利な状況が納得できずフラストレーションをためたクライアントは精神的なバランスを崩してしまい、元の職場に押しかけ逮捕される
新居の建設で頭がいっぱいのジーナ(ミシェル・ウィリアムズ)は、新居オブジェとして砂岩を考えていた
そのオブジェに理想的な砂岩を所有している気難しい老人アルバートの元を訪れ、夫と一緒に交渉するも、言い難いことは人任せで老人のご機嫌取りをする夫にウンザリする
終いには夫は「嫌なら売らなくてもいい」などと余計な発言までしてしまう
思春期で反抗してばかりの娘にも夫は厳しく接することができず、ジーナだけが嫌な役目を引き受けて常にイライラしていた
法律事務所での仕事の傍ら大学の夜間学校で「学校法」を教えることになったベス(クリステン・スチュワート)は、車で片道4時間かかる大学の遠さに辟易していた
初日に通りがかりで(クラス登録もしていないのに)授業に参加した 牧場で働くジェイミー(リリー・グラッドストーン)は、その帰りがけにベスから「この辺で食事できるところを知らない?」と聞かれたのがきっかけで、それから毎回授業の後にふたりでダイナーに行くことにする
そしてある日、「ベスの授業を引き継ぎたい」という地元の弁護士が現れ、ベスは生徒にそれを説明する機会もなく大学に来なくなる
大きな事件も恋愛もアクションもなく、 不満を抱えながらも日々モンタナで頑張っている女性たちの暮らしを淡々と描いていく
この作品で伝えたいことは大して重要なことではないのかもしれない
しかしここにはリアルが詰まっているし、それを(モンタナから遠く離れた)自分の生活に置き換えてみることも可能だ、と思った
新居を構えることに必死な妻を演じるミシェル・ウィリアムズはモンタナ州出身
まさかそれがキャスティングされた理由ではないだろうけれど、働き者ながら勝気で短気なせいで周囲に気をつかわせている母親を見事に演じている
「マンチェスター・バイ・ザ・シー」や「ブロークバック・マウンテン」でも、もどかしい状況で不機嫌そうにしている妻(彼女)役をやらせたら右に出る者はいない(?)女優
ストーリーとしては夜間授業の話が最も印象深く、観終わってからも余韻に浸ってしまった
仲の良いひとに薦めたくなる作品
この作品から、ケリー・ライカート監督作品にハマっていくことになる
原題は「Certain Women」