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1973年の(もちろん)アメリカ映画
1973年といえば「スケアクロウ」、「さらば冬のカモメ」などアメリカン・ニュー・シネマの印象が強いけれど、この年の北米の興行収入ランキングをみると
1. スティング $156,000,000
2. エクソシスト $128,000,000
3. アメリカン・グラフィティ $ 96,300,000
4. パピヨン $ 53,267,000
5. 追憶 $ 45,000,000
といった具合
高校生の時に聴き始めた、バディ・ホリーやチャック・ベリーの延長で、本作のサントラ盤を入手
それから数年経って、テレビで本作を観たせいか、パッと頭に思い浮かぶ絵は ↑ ではなく ↓ コチラ
面白いもので、バディ・ホリーやチャック・ベリーは、ロックの系譜に存在する(少し前の)音楽として聴いていたけれど、プラターズやビルヘイリーなどは別個な「オールディーズ」として意識的に区別していた
同じ年代のヒット曲を何故そんな区別した?とも思うけれど、それから40年近く経って俯瞰で振り返ってみた今、認識としては間違ってなかった気もする
今回、久しぶりに鑑賞してみると、先述のアーティストに加えて、ファッツ・ドミノ、ザ・ビーチ・ボーイズ、デル・シャノン、MG'sらの音楽を、10代後半の若者たち皆が聴き、踊っている様子が何と言っても刺激的
学生時代に音楽を楽しんだ経験は、誰しもあるだろうけれど、「どれほど仲間と共有できたか?」となると、この頃のアメリカの若者には適わないだろう
高校を卒業し、大学進学のために地元の街を離れる直前の一夜を描いた作品
進学せず、地元に残ろうかと迷っているカート(リチャード・ドレイファス)、カートの妹のローリーとつき合っているスティーブ(ロン・ハワード)、二年先輩で地元に残っているジョン(ポール・ル・マット)など、誰が主人公というでもなく、話は進行していく
そんな彼らの中でも、ドジで間抜けで、皆から揶揄われている一つ下のテリー(チャールズ・マーティン・スミス)
「アンタッチャブル」で簿記係を演じている彼、本作ではひとりだけ車を持っていない設定ながら、スティーブの車を(今度のクリスマスまで)貸してもらうことになり、そのお陰でデビー(キャンディ・クラーク)を助手席に乗せることに成功する
高校最後の夜を楽しむ先輩たちに混じって、イジられたりトラブルに遭ったりしながらも貴重な体験をする、テリーのストーリーとして観ることもできる
作品の最後に、登場人物たちが現在どうしているか表記される
青春時代の楽しい一コマを覗いている意識で映画を観ていると、興覚めするというか、現実に引き戻される感覚にもなるけれど、青春時代を共有した若者たちの成長を描く手法としては、以降の作品に与えた影響も大きいのかもしれない
他にも、若き日のハリソン・フォードが出演していたり、監督・脚本ジョージ・ルーカス、製作フランシス・フォード・コッポラと錚々たる名前が並ぶ、話題に事欠かない作品
明日は、フランス的な反戦映画を紹介します