引用元:amazon.co.jp
2002年のアメリカ映画
監督は「L.A.コンフィデンシャル」のカーティス・ハンソン
ぐうたらダメ母を演じているキム・ベイシンガーは、この繋がりで出演だろうか
ご存じエミネムの半自伝的な作品
ラップ音楽には詳しくないし、特別な興味もなかったけれど、偶然ラジオで聴いた「Stan」という曲を気に入ってから、以降のアルバム数枚は熱心に聴いた
不思議なもので、それでも自分にとってラップは馴染みのジャンルにはならず、意識的にも遠い存在だったせいか、エミネムの音楽はこっそり聴く(別に他の音楽を公言して聴いているワケでもないけれど)ような感覚
デトロイトという街が、自動車産業の衰退からスラム化していく経緯については、映画「デトロイト」にも書いたけれど、そこから30年後の同じ街の劣悪な環境の中から、エミネムと仲間たちが浮かび上がろうとする様子が描かれている
舞台は1995年のデトロイト
ピザ屋のバイトをクビになり、妊娠させてしまった彼女にフラれたジミー(エミネム)
他に頼れるところもなく、母親と妹が暮らしているトレーラーハウスに転がり込む
母のステファニー(キム・ベイシンガー)は娘の世話もせず、働きもせず、家賃を滞納し(賃貸のトレーラーハウスなのか?)、酒に溺れ、更に最悪なことにジミーの高校の質の悪い先輩に依存していた
ジミーの唯一の希望は、ラップで認められレーベルと契約すること
その為のステップとして、地元のクラブ「シェルター」でのMCバトルで勝ち抜くために、仕事に向かうバスの中でも常に思い浮かんだフレーズを書き留めていた
都市と郊外、富裕層と貧困層、そして白人と黒人を隔てている道路8マイル
成功してこの8マイルを越える
ラップで8マイルの向こう側の住民を罵倒しながらも、向こう側の生活を夢見る矛盾
それは仕事場で偶然会ったモデルを目指しているアレックス(ブリタニー・マーフィ)にしても同じだった
終盤は西部劇の決闘シーン、アクション映画のカースタントよろしく、MCバトルが繰り広げられ、これはこれで目先が変わって新鮮な楽しみだったけれど、ラップに乗せる言葉が目の前の対戦相手についてのものになると、如何せん「お前の母ちゃん〇〇〇」的なものになるのが微妙
どの時代にも、どの街でも、どんなジャンルでも、才能のある無しにも関係なく、本気で浮かび上がろうとしている若者の姿は絵になる
残念ながら若くして亡くなってしまったブリタニー・マーフィは、「ラーメンガール」という作品で、東京で麺修行に励むアメリカ人女性を演じている
明日も、アメリカの音楽映画をご紹介