引用元:amazon.co.jp
1999年のアメリカ映画
高校生の娘が、何度も「Gross(キモい)」言う通り、アメリカの家庭のいろんな種類の気持ち悪さをひとまとめにしたような作品
シカゴ郊外に暮らすバーナム家
父親のレスター(ケヴィン・スペイシー)は広告代理店に勤めているが、会社での評価は芳しくなく、家でも孤立気味で何事においてもやる気がない
妻のキャロライン(アネット・ベニング)は不動産営業の仕事に夢中なあまり、商売敵の男性と深い仲になってしまう
娘のジェーン(ソーラ・バーチ)は、そんな両親を冷ややかな目で見ながら、美人の友達のアンジェラ(ミーナ・スヴァーリ)からのモテ自慢を聞かされる毎日
ある日、高校のバスケットボールの試合に娘がチアリーディングするのを夫婦で見に行き、レスターはあろうことか娘と一緒に踊っていたアンジェラに一目惚れしてしまう
そんな父親に呆れながら、ジェーンは隣に引っ越してきた同級生のリッキー(ウェス・ベントリー)が、窓から自分を撮影しているのに気づく
リッキーは以前の学校でちょっとした騒動を起こし、父親にひどく叱られた挙句、精神病院に入れられていたことがあり、アンジェラからは「サイコ」とからかわれる
リッキーは盗撮する自らの姿を隠そうとはしないし、ジェーンもそれを拒絶するわけでもなく、レスターはアンジェラにそそのかされて活き活きしし始め、キャロラインは不倫相手に教えてもらった射撃でストレスを発散するという
地獄絵図でもありながらそれぞれがよろしくやっている状況
「アメリカの家庭の気持ち悪さをひとまとめ」と書いたけれど、闇の部分には深入りせず、ブラックコメディ寄りにすることで、不潔な印象から逃れることに成功している
公開からほどなくして観た時には流して観てしまったけれど、今回観直してその辺りのバランスの良さと、気持ち悪いショックを緩和する「前フリの巧妙さ」に感心してしまった
まさかの(大変失礼)アカデミー作品賞も世紀末に相応しい