無人島シネマ

忘れてしまうには惜しい映画 および雑記

176. 反逆の旅

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引用元:shochiku.co.jp

 

1976年のアサシン(!)・ムービー

 

 

実に70年代的な汗臭さに「人工的でインスタントで大量生産的な80年代」はムンムンした個性へのアンチテーゼだったのかも、と考えてしまった

 

 

加倉井(原田芳雄)は表向きは玩具のデザイナー、団地に一人暮らしする子供好きで平凡な男だが、裏の姿は足利という謎の女(麻生れい子)から来る指令に従って実行する殺し屋だった

 

裏の仕事を続けることに限界を感じ、また喧騒から離れた自然な中で暮らしたいという想いから、加倉井は足を洗う決心をする

 

そんな折、足利から新たな殺しの依頼が入り、一度は断るも組織の依頼からそう簡単には逃れられないことを理解している加倉井は「これで最後」と念押しして引き受ける

 

 

それにしても古今東西、映画の中で「これで最後」が通用した例は一度もない?というのに、どうして映画の主人公は「あと一回」をやってしまうのだろうか

 

愛する女性を救う為だったり、お金目的だったり、組織への義理立てだったりと理由が何であろうと結局はやってしまう

 

もちろん潔く断ってしまうと映画作品が成立しないのだろうけれど、、

 

 

 

閑話休題

 

標的は溝口という政界の黒幕、、かなりの大物だった

 

加倉井の仕事は完璧で、これまで一切の証拠を残さずに仕事を遂げてきたが、偶然同じ団地に住んでいる警視庁の八木(田中邦衛)は刑事の勘で、加倉井がこれまでの不可解な殺人事件に関与していると確信し、部下も巻き込んで執念の捜査を続けていた

 

ある日、加倉井の自宅にしのぶという女性(高橋洋子)が突然訪ねて来て、殺しを依頼してくる

 

もちろん加倉井は(自分はそういう依頼を引き受けられる人間ではないと)とぼけるも、前回の仕事中に加倉井の姿を見たのか洋子は執拗に迫ってくる 聞けば三年前に、ある男に乱暴され、妊娠、死産、それを苦にした母の自殺などから、もうすぐ出所してくる男を殺してほしいという

 

 

 

今の時代には通用しない程に一匹狼でハードボイルドな加倉井が、自由に生きようとすればするほど、不自由になっていく様が哀しい

 

最もハードボイルドなのは、描く必要の無いものは描かず、観客に想像させるラスト・シーンの潔さかもしれない 

 

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引用元:hulu.jp