引用元:Yahoo!映画
2014年のイギリス映画
設定はタイトルの通り1971年
血の日曜日(1972年1月30日)の1前年
血の日曜日事件とは、北アイルランドのロンドンデリーでデモ行進をしていた市民27名が、イギリス陸軍落下傘連隊に銃撃されたというもので、銃撃された27名のうち14名死亡、13名負傷という痛ましい事件
U2の「ブラディ・サンデー」のテーマにもなった
銃撃された市民は全員非武装で、そのウチ5人は背後から撃たれている
イギリスとアイルランドの関係、カトリックとプロテスタント、そしてIRAの立ち位置など、知ってから観る方が断然ストーリーに入って行けるので強引に短くまとめてみると(ご存じの方は読み飛ばしてくださいませ)
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1922年にアイルランド(島全体)が「アイルランド自由国」としてイギリスの自治領になる
元々イングランドやスコットランドから移住したプロテスタント系が多く住む北アイルランドは、(カトリックが大半を占めるアイルランドで少数派になることを恐れて)自治領になった翌日にアイルランド自由国から離脱し、イギリスへの再編入を希望する旨をイギリス政府に告げる
しかし、アイルランド全島を統一することを目指しているIRA(アイルランド共和軍 = Irish Republican Army)はそれ以降、北アイルランド政府や警察、また地域住民に対してテロ行為を繰り返すようになる
そして1969年に各地で大規模な暴動が発生し、現地の警察に代わってイギリス部隊が鎮圧、警備につき、一層緊張が高まる
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映画は1971年、紛争が激化している北アイルランドのベルファスト(北アイルランドの首府)に、イギリス軍兵で新人のゲイリーが着任するところから始まる
ベルファストという街は、プロテスタントと敵対するカトリックによって分断されていて、日頃から争いが絶えない
ある日、ゲイリーはパトロールの最中に争いに巻き込まれ、しかもその間に武器を泥棒に盗まれてしまう
群集の中に逃げ込んだ泥棒を追うも、右も左も分からない新人の自分が敵のテリトリーにたったひとりで入り込んでしまっていることに気づく
70年代のイギリスで、こんな残忍な出来事があったとは痛ましい限りではあるけれど、北アイルランドでは80年代、90年代にもテロで多くの犠牲者が出たり、個人を狙った残酷な事件が続いている
公式には98年にベルファスト合意が結ばれるも、2013年にも暴動や放火が起こっていて火種はまだ残っている
異教徒との長い抗争の歴史があるのは事実だし、身内が犠牲になった人も多くいるだろうけど、ある意味最も不幸のは「終われない」ということだろう