引用元:filmarks.com
よく、嫌いな映画の話になると
「あそこで現実逃避するなんて許せない」とか
「浮気するなんて最低」とか
そういったコメントを耳にすることが多い
自分もそういう風に思わないわけではないけれど、映画は始まった瞬間から
「好みや主義主張はさて置き、丸飲みする覚悟」で観ている
そもそも世の中には不条理が溢れていて、映画にはそれにどう向き合うのか?について描いた作品も多いのだから、道徳的な指摘をされても反応に困ってしまう
シアトルで夫と二人の子供に囲まれ、幸せに過ごしていたオードーリー(ハル・ベリー)
ある日、子供のためにアイスクリームを買いに行った夫がいつまでも帰らないことに不安を感じていると、警察が自宅にやってきて、夫が(暴力行為を防ごうとして)射殺されたと告げる
葬儀が始まる直前に、オードリーは夫の親友であり、ヘロイン中毒でずっと夫との大切な時間を奪われ続けてきた、憎らしいジェリー(ベニチオ・デル・トロ)の存在を思い出し、葬儀に呼ぶ
夫を失った喪失感から、オードリーは(経済的にも自立が難しいジェリーへの憐みではなく)自分のために自宅に同居して欲しいと頼み、ジェリーは一瞬戸惑いながらも同意する
一種独特な共同生活が始まると(生前、夫から子供たちの話をたくさん聞いていた)ジェリーは、子供たちと仲良く暮らし始める
子どもたちの悩みにもジェリーがうまく対応するのを目の当たりにして、オードリーは子供たちの大事な話を親友に共有していた夫にも、子供たちの悩みに優しく対峙できなかった自分にも怒りを感じる
そして感謝すべきジェリーに対して「あなたが死ぬべきだった」と憎まれ口を叩いてしまう
その後もオードリーは、「眠れないから添い寝して」とお願いしたり、子供たちにとって彼の存在が大きくなり過ぎたのを懸念して家から追い出したりと散々振り回し、ジェリーは行き場を失ってしまう