無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

685. ぼくたちの哲学教室

 

この作品がフランス映画であれば、「さすが哲学好きの国民だなあ」と、劇場に行くこともなかっただろうけれど、北アイルランドベルファストにある、男子だけの小学校が舞台のドキュメンタリーと知り、ユーロスペースにて鑑賞

 

 

 

北アイルランド問題を扱った映画は、これまで一度もスルーしたことはない

 

ベルファスト」、「ベルファスト '71」、「父の祈りを」、「ハンガー」等、7-8本は観たと思う

 

書籍やニュースにも、都度触れてきたけれど、毎回思うのは

 

どうして怒りを抑えられないのか」ということ

 

譲れない理由があったり、身内が被害に遭ったりという事情は理解できるけれど、民間レベルで報復を繰り返すことに、何故限界を感じないのだろう

 

 

 

 

ベルファストにある、ホーリークロス小学校のケヴィン校長は、エルヴィス・プレスリー好きの、個性的な男性

 

「どんな意見にも価値がある」

 

という考えから、小学校なのに哲学を主要科目にし、

 

やられたら、やりかえしていいのか?

 

と生徒たちに問いかける

 

 

 

20人の卒業生が、暴力やドラッグ、或いは自殺で亡くなっているという、生きていくことが極めて難しい地域

 

 

 

2015年11月に訪れたベルファスト

 

カソリックプロテスタント、それぞれの住民が激しく対立、抗争を繰り返し、現在でも分離壁が残っている地域を歩いてみた

 

ホーリークロス小学校は、そこから1kmも離れていない(緑が歩いたエリア)

 

父親からは「やられたらやり返さないと、さらに攻撃されてしまうぞ」と家で教えられている男の子も多い中、ケヴィン校長は、友達や家族が何故大切なのか、生徒たちに考えることを要求する

 

 

原題は「YOUNG PLATO」

 

日本でも哲学の授業があれば良いのにと思う

 

特に(まだ周囲の意見を気にし過ぎない)小学生であれば積極的に議論できそうな気がする

 

 

明日は、ダルデンヌ兄弟の作品をご紹介

 

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