この作品がフランス映画であれば、「さすが哲学好きの国民だなあ」と、劇場に行くこともなかっただろうけれど、北アイルランドのベルファストにある、男子だけの小学校が舞台のドキュメンタリーと知り、ユーロスペースにて鑑賞
北アイルランド問題を扱った映画は、これまで一度もスルーしたことはない
「ベルファスト」、「ベルファスト '71」、「父の祈りを」、「ハンガー」等、7-8本は観たと思う
書籍やニュースにも、都度触れてきたけれど、毎回思うのは
「どうして怒りを抑えられないのか」ということ
譲れない理由があったり、身内が被害に遭ったりという事情は理解できるけれど、民間レベルで報復を繰り返すことに、何故限界を感じないのだろう
ベルファストにある、ホーリークロス小学校のケヴィン校長は、エルヴィス・プレスリー好きの、個性的な男性
「どんな意見にも価値がある」
という考えから、小学校なのに哲学を主要科目にし、
「やられたら、やりかえしていいのか?」
と生徒たちに問いかける
20人の卒業生が、暴力やドラッグ、或いは自殺で亡くなっているという、生きていくことが極めて難しい地域
2015年11月に訪れたベルファスト
カソリックとプロテスタント、それぞれの住民が激しく対立、抗争を繰り返し、現在でも分離壁が残っている地域を歩いてみた
ホーリークロス小学校は、そこから1kmも離れていない(緑が歩いたエリア)
父親からは「やられたらやり返さないと、さらに攻撃されてしまうぞ」と家で教えられている男の子も多い中、ケヴィン校長は、友達や家族が何故大切なのか、生徒たちに考えることを要求する
原題は「YOUNG PLATO」
日本でも哲学の授業があれば良いのにと思う
特に(まだ周囲の意見を気にし過ぎない)小学生であれば積極的に議論できそうな気がする
明日は、ダルデンヌ兄弟の作品をご紹介