引用元:amazon.co.jp
2002年のアイルランド・イギリス映画
「北アイルランド問題」については
「ベルファスト '71」や「ハンガー」、「レクイエム」、「父の祈りを」等々で触れてきたけれど、本作は1972年に起こった「血の日曜日事件」をドキュメンタリー的に撮影しているので他の作品とも違ったアプローチでこの問題を知ることができる
1971年1月30日
北アイルランドのデリーで起こった北アイルランド市民による(英国の統治に反対する)デモ行進
このデモを主導していた北アイルランドの公民権運動リーダー、アイヴァン下院議員(ジェームズ・ネスビット)
非武装、非暴力による抗議でものつもりが、イギリス軍の過剰な警備に煽られるかのように一部の市民が投石など攻撃的な行動を始め、途中からアイヴァンにもコントロールできなくなってしまう
結果的には悲惨にも14人の市民が射殺されてしまう
デモの様子を肩越しのハンディ・カメラで収めた映像は臨場感に溢れ、この結果を想像もしなかったであろうデモに参加した若者がイギリス軍に催涙ガスを見舞われるまでの過程がリアルに伝わって来る
エンドロールではU2の「Sunday Bloody Sunday」のライブ・バージョンが(エンドロールが終わっても)流れる
そして「この日勝利したのはデモを制圧したイギリス軍ではなく(今日怒りに震えた多くのアイルランドの若いカトリック教徒たちが新たに参加するであろう)IRAだ」というコメントが強烈に印象に残る
2015年11月、北アイルランドのベルファストを訪れ、朝から夕方まで(カトリックの区域とプロテスタント区域の境界を)歩き回った
そしてその足でU2のコンサート会場に向かい、北アイルランドでは28年振りの演奏となった「Sunday Bloody Sunday」を聴くことができた
大きな会場でのロック・コンサートとはいえ、この曲の印象的なドラムが始まった瞬間に「他の曲と同じようには楽しめないな」という空気が走ったことをよく覚えている
明日は、初めてのポーランド・ノルウェー・アイルランド・ハンガリー映画をご紹介