
引用元:shochiku.co.jp
1964年の作品
時は昭和6年
岡山の歩兵隊に入った棟元(長門裕之)は、同期入隊で名前を省略してヤマショーと呼ばれてた山田正助(渥美清)と仲良くなる
新入隊員は、二年兵からのイジメ・シゴキの毎日で、棟元や仲間にとっては辛い日々ながら、逞しいヤマショーからすれば「このご時世に、三度の飯が食えて、風呂にまで入れる、まるで天国」
翌年、二年兵になった棟本とヤマショーらは、新しく入った後輩をシゴキ始める
そんなある日、休日に外出したヤマショーは泥酔してしまい、門限を破ってしまう
懲罰を受けたヤマショーに、中隊長の堀江(加藤嘉)は読み書きを学ばせようと、垣内二等兵(藤山寛美)を講師に付ける
当初は嫌がっていたヤマショーも、次第に文字を覚えて、ついには「のらくろ」も読めるようになった頃、二年が経ち満期除隊となる
しかし昭和12年、日中戦争に伴う招集で再び兵役についていた棟本とヤマショー
南京が陥落し、仲間たちが「これで戦争が終わる」と喜ぶ中、身寄りも無く帰る場所も持たないヤマショーは、何とか軍隊に残してもらおうと「ハイケイ、テンノウヘイカサマ」と手紙を書き始める
戦後20年も経っていない当時、この喜劇のセンスは、果たしてどれくらいの割合で受け入れられたのだろう
原作は岡山県津山市出身で、自らの戦争体験をもとに多くの小説を残した棟田博の同名小説
ちなみに先述の「のらくろ」の作者・田河水泡も、朝鮮と満州で体験した軍隊生活をベースに漫画にしたという
「のらくろ」という名前と絵は知っていても、漫画は見たことがなく、検索してみたところ、割と大きな吹き出しに目一杯文字が並んでいて、読み書きを覚えるのには丁度良さそう
多くの人に親しまれた漫画が、読み書きを覚える手助けにもなっていたら一層素晴らしいけれど、当時ヤマショーのように「のらくろ」がきっかけになった人は他にどれくらいいたのだろうか
ちなみに今でもこの手法は有効らしく、小学生に「名探偵コナン」を使って漢字を覚えさせる先生もいるらしい
明日は、いつか乗ってみたい鉄道についての映画をご紹介