引用元:amass.jp
2010年の作品
タイトルの通り、ジョン・レノンがニューヨーク(途中LA)に住んだ約9年間を描いたドキュメンタリー
ビートルズ解散後、プライバシーを確保することも出来なくて、(オノ)ヨーコへのバッシングも酷いロンドンを離れ、1971年の9月にふたりは渡米する
当時のアメリカは、ベトナム戦争への反対運動が真っ盛り、そして選挙権が18歳の若者たちにも与えられるタイミングで、若者に絶大な影響力を持つジョンが(反戦活動家の不当な逮捕などに対して)ステージから活動を煽る様子は、当時の共和党政権にとってさぞ苦々しい存在だったことだろう
ジョンやヨーコはもちろん、バンドのメンバーやカメラマンに対してまで、FBIによる尾行や盗聴があった状況や、こうした動きの中でタイミングを逃さずメッセージを発信すべくアルバム「Some Time In New York City」がリリースされた経緯などがよくわかる
このアルバムに関しては(強烈な曲はいくつかあるものの)粗い作りだなあ、という印象だったけれど、楽曲そのものよりもその背景、そしてリアルタイムの緊張感を含めて評価されるべきなのかという気がする
そしてヨーコへの裏切りからロスト・ウィークエンドと呼ばれるロスでの冷却期間
一緒に騒いでいた音楽仲間たちからも心配されるほどに自堕落な生活を送って淋しさを紛らす姿には、幼少期に両親からほとんど愛情を受けていない影響を想像してしまうし、前妻との間に出来た子供とも(何しろビートルズだった)殆ど一緒に過ごすこともなく、離婚・別居に至った後悔が伺える
その後、エルトン・ジョンとの共演でニューヨークに戻ったタイミングでヨーコと和解、一切の音楽活動から離れ専業主夫として息子ショーンの面倒を約5年間みる
そして良き父親と音楽活動が両立できるタイミングとして音楽活動を再開し、1980年11月にアルバム「ダブル・ファンタジー」をリリース
再スタートを高らかに宣言する「スターティング・オーバー」は先行シングルとしてチャートの1位を獲得
他にも「ウーマン」、「ビューティフル・ボーイ」、「ウォッチング・ザ・ホィールズ」など素晴らしい曲を収録したこのアルバムが絶賛されていた翌12月8日22時50分、自宅のあるダコタ・アパート前でマーク・チャップマンという男の凶弾に倒れる
観たことのなかった映像や、知らなかったエピソードもあり、ジョンのアルバムはすべて聴いているという人にもオススメしたい作品
ちなみに本日より、「JOHN LENNON 音楽で世界を変えた男の真実」が公開される
他にも劇場で観たい作品が増えてくる(それでなくとも慌ただしい)時期ではあるけれど、何とか観に行きたい