引用元:natalie.mu
2022年の開局したBS松竹東急の開局記念ドラマスペシャル
死期が迫った父親(岸部一徳)の遺産を、愛人のミドリ(南果歩)から守ろうとする長女の春子(尾野真千子)
「自分ひとりで闘うのではなく、兄弟全員で」と、ピアノの講師を辞めて漠然とした日々を過ごす妹の秋子(井上真央)と、働きもせず姉より豪華なマンションに父の金で暮らして(引き籠って)いる弟の雪雄(村上虹郎)にも声を掛ける
しかし、オーバーヒート気味の姉に対して、気が乗らない妹と、やる気のない弟では、話もまとまらず、そもそも父親はミドリと再婚しているから、愛人ではなく正式な主たる相続人とあって、勝ち目の無さそうな闘いが始まる
ストーリーの展開よりも、三人の兄弟の立ち位置が面白く、ずっとその関係を楽しみながら観た
正義感が空回り気味の、実は気の弱い姉、
真面目ながらも、かなりマイペースな妹、
自堕落な生活を続けながらも、周囲をよく観察している弟
いったい誰が一番シッカリ者なのか、優しいのか、真面目なのか?
場面によって、或いは基準によってコロコロ変化するところが、何とも面白いし、味わい深い
一緒に幼少期を過ごした兄弟でも、出来事について違った印象を持っていたり、一方は憶えていなかったり、ということがあるのも印象的
案外、確認してみないとわからないものかもしれない
それにしても、村上虹郎の演技には毎回(心地良く?)イライラさせられる
仕事や、人づき合いに対して、真摯に向き合っていないように見える(実際にはそうでもない)若者を演じさせたら、彼の右に出る人は居ないだろう
最初は、本当に嫌いだった(何て単純!)けれど、今ではすっかりファンになってしまった
明日は、憧れの兄の変化に失望する弟を描いた作品をご紹介