無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

1185. 幸福のスイッチ

引用元:video.unext.jp

 

東京でイラストレーターとして働く怜(上野樹里

 

実家の和歌山から上京したばかりで、まだ何の実績もないのに、営業マンが取ってきた案件のデザイン性に不満を口にしたことを注意され、勢いで会社を辞めてしまう

 

そんなある日、怜の姉で妊娠中の瞳(本上まなみ)が入院し、絶対安静の状況だという知らせが妹の香(中村静香)から届き、怜は慌てて和歌山に帰る

 

ところが、その手紙は妹の嘘で、実際に入院していたのは父親の誠一郎(沢田研二)だった(客の依頼でアンテナを取り付けている時に、足を滑らせて屋根から落ちて骨折したという)

 

騙されたことに腹を立てる怜だったが、家族が困っているのは事実で、父親が社長として切り盛りしている稲田電機の仕事が、妊婦の瞳や、部活を休む香の手伝いでは回らず、しばらくは怜に手伝って欲しいという

 

 

稲田電機、通称「イナデン」は、誠心誠意・真心のサービスで、地元の人たちに親しまれてはいるものの、最近は近くにできた量販店に押され、稲田家の家計は火の車

 

怜に言わせれば、母親も過労で父に殺されたようなものだし、家族はみな父の犠牲になっている

 

それなのに、姉も妹もいつまでお人よしを続けるというのか、怜の父に対する不満はピークに達していた

 

 

 

 

不本意ながら地元に帰ってきた若者が、当初は反発しながらも、次第にに地元や親を理解していく、というよくある話ながら、設定やエピソードに無理が無く、また怜が常にプリプリしている様子や、そんな例に自然に対応する家族や周囲の人たちに惹かれて最後まで楽しめる

 

監督の安田真奈は、監督になる前は松下電器に勤務しており、退職後もパナソニックショップで働いた経験があるという

 

ついノスタルジックな観方をしてしまいそうになるけれど、今やネット通販に押されて家電量販店でさえも生き残りを賭けて必死になっている中、町の電気店にとって「高齢化社会」は、自らの強みを活かせるチャンス到来とも言える

 

10年後、20年後の電気店は果たしてどうなっているだろうか?

 

 

明日は、赤い屋根の小さなおウチが舞台の映画をご紹介

 

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