引用元:amazon.co.jp
1990年代に実際に起こった「国際価格カルテル事件」を元に脚色を加えた映画
タイトルのインフォーマントとは情報提供者のこと
同じ意味を持つ informer という単語よりも、「内部告発」的なヒリヒリ感がある
アメリカの穀物メジャーであるADM社のマーク(マット・デイモン)は、優秀な社員として事業部長にまで昇進し、その先も大いに期待されていた
そのマークが、FBIに「ADMがカルテルを結んでいる」と内部告発する
FBIはマークに捜査協力を要請し、二人三脚で物的証拠(録音テープ等)を集め、二年半にわたる努力の結果、ADM社に捜査が入りカルテルの事実が認められる
ところが、立件する直前から、FBIが捜査に入ることを他の社員に伝えていたり、大事な事実を隠していたり、マークの不誠実な対応が露呈していく
捜査の結果、マークは(FBIに黙って)捜査協力をしている間にも賄賂を受け取っていて、その総額は900万ドルかそれ以上になることが判明する
またFBI捜査官に殴られたこと、日本の会社からウィルス攻撃を受けたことなど、数々の嘘をつき、医師の診断書も偽造していた
当初内部告発をマークに勧め、不利な状況になってもずっと支え続けてきた妻のジンジャー(メラニー・リンスキー)が、「今度こそ真実を話さないと周囲もサポートできませんよ」言われ続けてきた夫の診断書の偽造が判明した瞬間に
「やめて、もう自分を傷つけないで」
という場面には、胸が締め付けられる
企業犯罪の内部告発がテーマかと思いきや、マークという優秀で誠実そうな男の、危ない内面についての映画
不健康に太って、逮捕後はすっかりみすぼらしくなる(そしてまだ嘘をつき続ける)恐ろしい中年男をマット・デイモンが見事に演じている
明日は、前回の「48時間」とは随分様子の変わったニック・ノルティ出演作をご紹介