無人島シネマ

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1285. インフォーマント!

引用元:amazon.co.jp

 

1990年代に実際に起こった「国際価格カルテル事件」を元に脚色を加えた映画

 

タイトルのインフォーマントとは情報提供者のこと

 

同じ意味を持つ informer という単語よりも、「内部告発」的なヒリヒリ感がある

 

 

 

アメリカの穀物メジャーであるADM社のマーク(マット・デイモン)は、優秀な社員として事業部長にまで昇進し、その先も大いに期待されていた

 

そのマークが、FBIに「ADMがカルテルを結んでいる」と内部告発する

 

FBIはマークに捜査協力を要請し、二人三脚で物的証拠(録音テープ等)を集め、二年半にわたる努力の結果、ADM社に捜査が入りカルテルの事実が認められる

 

ところが、立件する直前から、FBIが捜査に入ることを他の社員に伝えていたり、大事な事実を隠していたり、マークの不誠実な対応が露呈していく

 

 

 

捜査の結果、マークは(FBIに黙って)捜査協力をしている間にも賄賂を受け取っていて、その総額は900万ドルかそれ以上になることが判明する

 

またFBI捜査官に殴られたこと、日本の会社からウィルス攻撃を受けたことなど、数々の嘘をつき、医師の診断書も偽造していた

 

当初内部告発をマークに勧め、不利な状況になってもずっと支え続けてきた妻のジンジャー(メラニー・リンスキー)が、「今度こそ真実を話さないと周囲もサポートできませんよ」言われ続けてきた夫の診断書の偽造が判明した瞬間に

 

「やめて、もう自分を傷つけないで」

 

という場面には、胸が締め付けられる

 

企業犯罪の内部告発がテーマかと思いきや、マークという優秀で誠実そうな男の、危ない内面についての映画

 

不健康に太って、逮捕後はすっかりみすぼらしくなる(そしてまだ嘘をつき続ける)恐ろしい中年男をマット・デイモンが見事に演じている

 

 

明日は、前回の「48時間」とは随分様子の変わったニック・ノルティ出演作をご紹介

 

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