無人島シネマ

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1108. マイ・バック・ページ

引用元:filmarks.com

 

タイトルはボブ・ディランの「My Back Pages」という曲から

 

この曲は1964年にリリースされた「Another side of Bob Dylan」に収録された曲

 

前年のデビュー後、間もなく時代の代弁者として注目を浴びたディランが、プロテスト・ソングから新しいスタイルへと移行を始めたアルバム

 

ロックに以降する前の段階で、楽器もアコースティック・ギターとハーモニカの弾き語りスタイル

 

その中で

 

  Ah, but I was so much older then

  I’m younger than that now

  ああ、あの頃の僕は老けていた

  今はあの頃よりもずっと若い

 

 

と繰り返し歌われる「My Back Pages」

 

初めてこのアルバム(曲)を聴いたのは高校生の時で、何年も前の曲だからラジオから流れることもないし、曲を知っているクラスメイトもいなかった

 

当然ながら「あの頃よりも若い」なんて感覚を持ち合わせているはずもなかったけれど、なぜかその生意気な歌詞(当時のディランもまだ23歳)はスルッと受け入れられた

 

 

 

 

時は1969年の東京

 

全共闘の盛り上がりに乗り遅れた学生、片桐(松山ケンイチ)は、自らも憧れの革命家になるべく、「赤邦軍」という名の新左翼グループを結成

 

梅山と言う別名を名乗り、グループのリーダーとなる

 

とはいえ、周囲から認知もされていないグループで出来る活動もなく、その状況に焦る梅山は、「赤邦軍」や彼自身の実績などを偽り、マスコミを利用しながら注目を集めていく

 

そんな梅山青年に、胡散臭さを感じながらも惹かれていく若手ジャーナリストの沢田(妻夫木聡)は、梅山が起こす行動を単独スクープしようと近づく

 

 

 

ドキュメンタリー的な学生運動のドラマとして観るには、虚しさが残る作品ではあるけれど、焦りと虚栄心と羞恥心が空回りして何処にも辿り着かない梅山の様子と、後からそれを空虚な目で振り返り嗚咽する、まさに「マイ・バック・ページ」な沢田の姿が印象的

 

途中、映画館で「洲崎パラダイス 赤信号」や「ファイブ・イージー・ピーセス」を観るシーンもあり時代を感じさせる

 

 

明日は、マルチェロ・マストロヤンニ主演作品を紹介します

 

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