無人島シネマ

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1107. 台湾人生

引用元:amazon.co.jp

 

新聞記者だった酒井充子監督のデビュー作

 

日本統治時代の台湾を生き抜いた5人をはじめ、7年間取材をまとめたドキュメンタリー

 

貴重な生の声を集めた恣意性の無いドキュメンタリー

 

言い換えれば、手弁当的な画像や音声の品質、そして内容もメリハリが無く、観始めた時には「最後まで観るのは厳しいかな」と思った

 

しかし、途中からまったく気にならなくなったというか「そんなこと気にしていられない」という気になった

 

 

 

日本人なら年配の台湾人が日本語を話せることや、その理由は日本が統治した時代があったからと知っているけれど、その期間が敗戦(1945年)までの51年間にも及ぶことや、日本による統治が終わった時に彼らがどんな状況、どんな気持ちだったのかまで詳しく知っている人は少ないだろう

 

親日派(という表現も彼らには不自然ということもこの作品で知ることができた)の多い台湾人ではあるけれど、日本人に対する感情と、日本政府へのものは大きく異なる理由など、それぞれに熱く語っている映像を観ていると、こうした事実を義務教育で学ばなかったことに対する恐ろしさと、この機会にできるだけ知っておくべきだと強烈に意識しながら鑑賞

 

もちろん台湾人がみな聖人君子ではないだろうし、本作にも収められている様に、日本の統治時代に発展の基礎ができた面もあり、個人レベルで(酷い扱いを受けながらも)恩恵を受けた人も

 

それにしても国民に対する恨みツラミが前面に出ないところは、本当に素晴らしい国民性だと思うし、それは今の日本人には見習うべき点としか映らない

 

 

台湾はこれからも不安定な時代が続くだろうし、日本も中国を気にして大きなサポートは出来ないだろうけれど、せめて事実の正しい認識と協力的な姿勢を保ち続けるべきだと思う

 

 

最後に、ドキュメンタリー映画ではあまり目立つことの無い音楽だけれど、ジャズ・ギタリスト廣木光一による、ブルースやボサノヴァ的なインストが心地よく耳に響いた

 

 

明日は、ボブ・ディランの曲がタイトルになった作品を紹介します

 

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