無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

1106. 何者

引用元:amazon.co.jp

 

直木賞にも輝いた同名小説が原作

 

映画も2016年にヒットしたとあって、このタイミングで観るのもなあ、と思いつつ鑑賞

 

 

 

ルームシェアしている大学生の拓人(佐藤健)と光太郎(菅田将暉

 

拓人は演劇、光太郎はバンドに明け暮れた大学生活だったが、光太郎は最後のライブを終えて髪を黒く染め、既に就職活動を始めていた拓人を頼りに動き始める

 

大学のクラスメートであり、光太郎の元カノでもある瑞月(有村架純)の友人・理香(二階堂ふみ)が、偶然にも拓人と光太郎が住んでいる部屋の上の階に住んでいることがわかり、四人とも手探り状態だった「就活」を何とか乗り切ろうと、その部屋を活動拠点として協力し合うことを誓う

 

その部屋には、つき合い始めて間もない理香の彼氏・隆良(岡田将生)も住んでいたが、隆良は「これからは個の時代」と、フリーランス的なキャリアを模索していた

 

帰国子女で国際的な環境で働きたいという理香に対して、明確な方向性が打ち出せない瑞月、翻訳家を目指し海外に飛び立った女性が忘れられない光太郎は出版社志望、そして拓人は演劇関係を目指すでもなく、焦りを募らせている

 

そんな中、瑞月が最初に内定を勝ち取る

 

その企業は、他の四人も知っている(理香も応募した)有名企業だったが、瑞月が内定をもらったのは総合職ではなく(転勤が無い分、キャリアアップの限られる)エリア職としてだった

 

 

 

五人の学生(↑ に映っている山田孝之は理系の先輩で、やや別枠)の奮闘ぶりや、焦り、競争心、虚栄心諸々がリアルに伝わってくる

 

最初は五人均等に(そしてある程度同様に)描かれながらも、次第にそれぞれが抱えている背景が色濃くなっていき、最後は主役の闇がクローズアップされる

 

就活がテーマではあるけれど、あくまで共通のお題目的なものに留めている具合も心地よく観られた

 

最後にスペクタクルな展開(主役の闇の部分)を迎える映画は好みではないけれど、本作は終わるまで「そうとは思わせない」スペクタクルで、秀逸だった

 

 

SNSの情報に振り回される学生や、「あなた自身を一分間で表現してください」などと言う企業の面接官、、、俯瞰してみると集団コントのような日本の就職(採用)活動

 

とはいえ「本人たちにとってはイチ大事

 

集団面接で他の学生が志望動機を熱弁する様子に、思わず退席したくなった時の状況(会議室や面接官、他の学生たち)や、内定が出してくれた企業に勤めることを決心した時に感じた嬉しさと不安は、何年も経った今でも明確に思い出せる

 

 

明日は、台湾についてのドキュメンタリー映画をご紹介

 

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