無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

725. 愛を乞うひと

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引用元:amazon.co.jp

 

1998年の作品

 

現在と過去を交差しながらストーリーが進む

 

 

(現在)

印刷会社で働いている照恵(原田美枝子)は、女手一つで高校生の娘みぐさを育てている

 

幼い頃に病死した父で、台湾人の陳文雄(中井貴一)の遺骨を探していた

 

父が亡くなった病院や区役所などを訪ねるも、年数が経ち過ぎているせいか手掛かりも掴めず途方に暮れる

 

みぐさは、最近帰りが遅い理由も言わない照恵を心配し、口論になってしまう

 

そして、照恵がみぐさの頬を叩いてしまい、みぐさは(言い過ぎてしまった自分が悪いせいで、初めて母に叩かれてしまったと)ショックながらも、同時に母親の愛も感じていたが、照恵の方は幼い頃に母親から行き過ぎた折檻をされていた過去を思い出し、憂鬱な気分になる

 

 

(過去)

照恵は、生後まもなくから母豊子(原田美枝子・二役)に暴力を振るわれ、文雄が照恵を引き取る形で両親は離婚してしまう

 

ところが文雄が病死してしまい、孤児院で暮らしていた照恵を、豊子は引き取りに来る

 

豊子は、普段は気の良い奔放な女性で、当時流行っていた「バナナボート」をよく口づさんでいたが、怠惰な生活から抜け出せず面倒を見てくれる(その割に稼ぎの無い)男のことろに照恵と居候していた

 

そして、少しでも気に入らないことがあると、その怒りを照恵に向け、誰かに止められるまで殴る蹴るを続けていた

 

同居している男も豊子の言いなりで、たまに窘めることはあっても照恵を守ってくれず、照恵は殴られて腫れた顔のまま学校に行くことも珍しくなかった

 

 

そして照恵が就職し、豊子と別れる過去を挟みながら、文雄の遺骨を求めて台湾に親子で向かう照恵が、最終的な目的を果たすまでを描いていく

 

 

 

原作は下田治美の長編小説

 

重厚なストーリーに、各役柄にぴったりのキャスティングが映える

 

素晴らしい映画作品ではあるけれど、折檻のシーンが直視できない(本作にR指定がないのは不思議)

 

 

 

台湾の列車の中で、照恵が「バナナボート」を口づさむシーン(↓ の予告映像にも)が印象的

 

もともとはジャマイカのメントの曲で、港湾労働者のワークソング

 

Day-O, Day-ay-ay-O という掛け声で始まる「仕事も終わったし、早く家に帰りたいよ」という歌

 

ディアマンテスが歌う野茂英雄の応援歌(Day-Oの部分を”ヒデーオ”と歌う)で知っていたけれど、日本人のカバーは本作で初めて知った(1957年に浜村美智子が歌ってヒットし、カリプソブームのきっかけになったという)

 

 

まるで原田美枝子という女優のすべてが表現されているようなポスターに、しばらく目が釘付けになってしまう

 

 

明日は、久しぶりにケン・ローチ監督作品を紹介します