無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

689. 息子の部屋

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引用元:amazon.co.jp

 

2001年イタリア映画

 

 

精神科医のジョヴァンニ(ナンニ・モレッティ)は、イタリアの小さな港町に家族4人で暮らしている

 

画商を営む妻のパオラ(ラウラ・モランテ)、テニスが趣味の長男アンドレア(ジュゼッペ・サンフェリーチェ)、そしてバスケットボールに熱心な長女イレーネ(ジャスミン・トリンカ

 

 

ある日ジョヴァンニは、息子が通う学校から呼び出しの電話を受ける

 

実験室にあったアンモナイトが盗まれ、アンドレアにその疑いがかかっているという

 

 

友人ふたりと化石が入った袋を持っていたという目撃情報もあり、本人は否定するも、学校を停学処分になってしまう

 

素直で穏やかな性格の息子を信じる家族は、その後も優しく接していたが、その日を境にテニスの試合でわざと負けたり、アンドレアの無気力さが目立つようになる

 

 

 

事後になって「あの時もっと息子の気持ちに寄り添っていたら」と悔やむ気持ちと、その時には(息子本人も)事を大袈裟にしたくないだろうし、という配慮もあって、やりきれない思いに打ちのめされる家族

 

息子の心の中=部屋という(特に珍しくはないけれど)比喩が効果的

 

いろんなタイプの親が居る中で、子供の意見やプライバシーを尊重してきたジョヴァンニとパオラらしい「息子の部屋」への接し方

 

ハッピーエンドではないけれど、心満たされるラストシーンを含め、味わい深い雰囲気に包まれている

 

ストーリーにも演技にも大満足だけど、この雰囲気だけでも十分という気にさせるくらいに好みの映画

 

先日紹介した「ジョジョ・ラビット」同様、ラストは美しい曲で締めくくられます

 

 

明日は、久しぶりに邦画をご紹介