無人島シネマ

毎朝7時頃更新 忘れてしまうには惜しい映画 と雑記

461. 雲のむこう、約束の場所

引用元:hulu.jp

 

旅先の宿を予約する時には、(コスト的に許す範囲で)目的地にアクセスしやすい場所にあるホテルを選ぶようにしている

 

ホテルにジムやプールがある必要はないし、バーやレストラン、窓からの景色でホテルを選ぶことも無い

 

唯一の例外は、2018年にベルリンに行った時に「テレビ塔がよく見える部屋」を探したこと

 

昔、写真で見てから、この何とも言えない(モダンなのか古臭いのか)雰囲気の塔に惹かれてしまい、ベルリンに行く時にはテレビ塔を訪れるだけではなく、テレビ塔を部屋からずっと眺めていたいと思った

 

1969年に完成したベルリンテレビ塔は、バウハウスの影響を受けた建築家ヘルマン・ヘンゼルマンとイェルグ・シュトライパートを中心に設計された

 

当時の東ドイツのシンボルとして、西側諸国を見下ろすような(とはいえ威圧感と同時に愛嬌のある)テレビ塔

 

愛嬌があると言えば、その足元にあるアレクサンダー広場にある世界時計も、レトロな味わいに溢れている

 

左がベルリンテレビ塔(*)、右はテレビ塔をバックにした世界時計(**)

*真ん中辺りにある球体部分には、展望台とレストランがあり、約20分で1回転する

**同じタイムゾーンにある都市名が記載されている「ピョンヤン、東京、ソウル」という表記に東ドイツの名残り(?)を感じさせる

 

 

 

 

間もなく公開の「すずめの戸締まり」を観に行きたいけれど、当分は満員が続きそう(初日は上映時間が0時にも関わらずソールドアウト)なので、今日は新海誠監督の長編デビュー作について

 

 

舞台は1996年の、南北に分断されている日本

 

共産国家群である「ユニオン」は、実効支配する蝦夷の中心地に、純白の塔を建造している

 

海を隔てた南側の津軽半島に住む、中学三年生の浩紀と拓也は、いつか飛行機を組み立てて塔に行くという壮大な計画を立て、部品を買い集めるためのバイトに精を出していた

 

そんなある日、浩紀が気になっていたクラスメイトの佐由理に、その計画を喋ってしまう

 

佐由理は、計画と完成前の飛行機ヴェラシーラに感動し、三人は一緒にヴェラシーラに乗って塔まで飛ぶことを約束する

 

ところがヴェラシーラの完成が近づいたある日、佐由理は突然姿を消し、約束が叶わなくなったふたりは落胆、ヴェラシーラの製造を中止してしまう

 

 

 

それから3年が経ち、拓也は在日米軍施設で塔の秘密を探っていた

 

そこで拓也を指導している教授の富澤は、塔には精度の高い未来予測を行う機能があると確信、また塔の設計者エクスン・ツキノエの孫娘である佐由理という少女が「原因不明の病で3年間眠り続けている」ことを突き止める

 

一方、青森から上京した浩紀は、よく佐由理の夢(どこか知らない世界にひとり残された佐由理が、浩紀の名前を呼んでいる)を見ていたが、そんな彼のもとに佐由理からの手紙が届く

 

「原因不明の眠り病を治療する為に東京の病院に入院している」と書かれた手紙を読んだ浩紀は、病院に駆けつけるも、彼女は既に他の病院に移っていた

 

ところが病室に入った途端に白昼夢に襲われ、佐由理の姿を見た浩紀は(彼女を救う為に)「3年前の約束を果たさなければ」と立ち上がる

 

 

何故、塔に行く約束を果たせば佐由理の意識が戻るのか?など、作者の描く筋書きにつき合わされている感も若干あるけれど、アニメならではの展開と受け入れてしまえば、「もしかしたら、こうなっていたかもしれない日本」でのノスタルジックなラブストーリーとして楽しめる

 

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