引用元:Yahoo!映画
1979年のアメリカ映画
(こんな大作を)終戦から4年で公開するというスピード感に驚かされる
同じくベトナム戦争を扱った「ディア・ハンター 」は前年の1978年に公開されているけれど、本作は戦闘シーンが多い分撮影期間も長くまた編集に約二年かかったというからその作業の濃密さがうかがえる
原題は「Apocalypse(黙示録)Now」
アポカリプス、黙示録、いづれの単語にも馴染みが無さ過ぎてピンと来ない
調べてみるとアポカリプスとはキリスト教における「黙示」を指し、「ヨハネの黙示録」のギリシャ原題が「アポカリプス・イアオノ(ヨハネ)」であることから黙示録という訳が一般的に使われている
また開示する、(開示したものを)伝えるという意味や(ヨハネ黙示録が終末論的だったことから)「最後の」とか「終わらせる」という意味も含むという
1969年
既に泥沼化したベトナム戦争からの「名誉ある撤退」が謳われる中、陸軍の空挺将校ウィラード大尉(マーティン・シーン)は、妻との離婚から自暴自棄になり再びベトナムに戻ってくる
指令を受ける前、サイゴンのホテルで泥酔しているところを軍の上層部に呼び出される
これまで「要人暗殺」という特殊任務に携わってきた経験を持つウィラードに命じられた任務は、軍の命令を無視し続けカンボジアのジャングルの中に独立王国を築いている元グリーンベレー隊長のカーツ大佐(マーロン・ブランド)の暗殺
ウィラードは周囲に行先も伝えないまま哨戒艇で河をのぼっていく
道中、指揮官を失うも戦い続ける兵士や、自分の楽しみのためにベトコンの基地を襲撃する上官など、ベトナム戦争の狂った現場にいくつも遭遇しながら、麻薬で自分を見失いかけている若い乗組員たちと共に、ウィラードはついに王国に辿り着く
以前「生きる 」のコメントで書いた(自分とは)世界観の違いを感じる作品
この二作品に限った話ではないハズなのに、この二作品が最もわかり易く「感覚的な隔たり」を感じさせる
既成概念に囚われず、信念を持って納得するまで作り上げた作品である反面、感性や価値観を強要するようなアプローチの稚拙さを感じさせる
好きな人には「稚拙」ではなく「揺るぎない信念」に映るのだろう
個人の嗜好の問題で両方とも観ておくべき傑作だと思う